このブログは、PC上では「縦書き」で表示され、マウスポインタが、「縦書きの部分」にある時に、マウスのホイールを回すと、左右にスクロールし、「横書きの部分」では、上下にスクロールします。下に見えてゐる、スクロールノブでスクロールする場合は、左右にだけスクロールします。
(〇一)
① 欲二読レ文学一レ字。
② 欲下読二漢文一学上レ字。
③ 欲三読レ文学二漢字一。
④ 欲下読二漢文一学中漢字上。
⑤ 有二読レ文学レ字者一。
⑥ 有下読二漢文一学レ字者上。
⑦ 有下読レ文学二漢字一者上。
⑧ 有下読二漢文一学二漢字一者上。
に対する「書き下し文」は、
① 漢文を読み漢字を学ばんと欲す。
② 漢文を読み漢字を学ばんと欲す。
③ 漢文を読み漢字を学ばんと欲す。
④ 漢文を読み漢字を学ばんと欲す。
⑤ 漢文を読み漢字を学ぶ者有り。
⑥ 漢文を読み漢字を学ぶ者有り。
⑦ 漢文を読み漢字を学ぶ者有り。
⑧ 漢文を読み漢字を学ぶ者有り。
であって、これらは、全て、
1 連続した二字を転倒させる場合は、必ずレ点を用い、他の返り点を用いてはならない。
2 連続した二字の上下を転倒させる以外の場合に、レ点を用いてはならない。
(古田島洋介、これならわかる返り点、2009年、五七・五八頁)
といふ「ルール」を、満たしてゐる。
然るに、
(〇二)
1 連続した二字を転倒させる場合は、必ずレ点を用い、他の返り点を用いてはならない。
といふ「ルール」が無ければ、
① 欲下読二文一学中字上。
② 欲下読二漢文一学中字上。
③ 欲下読二文一学中漢字上。
④ 欲下読二漢文一学中漢字上。
⑤ 有下読二文一学二字一者上。
⑥ 有下読二漢文一学二字一者上。
⑦ 有下読二文一学二漢字一者上。
⑧ 有下読二漢文一学二漢字一者上。
といふ「返り点」は、「正しい」。
然るに、
(〇三)
⑤ 有下読二文一学二字一者上。
⑥ 有下読二漢文一学二字一者上。
⑦ 有下読二文一学二漢字一者上。
⑧ 有下読二漢文一学二漢字一者上。
に対する、
⑤ 有〔読(文)学(字)者〕。
⑥ 有〔読(漢文)学(字)者〕。
⑦ 有〔読(文)学(漢字)者〕。
⑧ 有〔読(漢文)学(漢字)者〕。
に於いて、
⑤ 有下読二文一学二字一者上。
⑥ 有下読二漢文一学二字一者上。
⑦ 有下読二文一学二字字一者上。
⑧ 有下読二漢文一学二漢字一者上。
といふ「返り点」は、
⑤ 有〔読(文)学(字)者〕。
⑥ 有〔読(漢文)学(字)者〕。
⑦ 有〔読(文)学(漢字)者〕。
⑧ 有〔読(漢文)学(漢字)者〕。
といふ「返り点」に等しい。
従って、
(〇三)により、
(〇四)
⑤ 有下読二文一学二字一者上。
⑥ 有下読二漢文一学二字一者上。
⑦ 有下読二文一学二漢字一者上。
⑧ 有下読二漢文一学二漢字一者上。
といふ「返り点」は、
⑤ 有〔読(文)学(字)者〕。
⑥ 有〔読(漢文)学(字)者〕。
⑦ 有〔読(文)学(漢字)者〕。
⑧ 有〔読(漢文)学(漢字)者〕。
といふ「括弧」に等しい。
(〇五)
① 欲下読二文一学中字上。
② 欲下読二漢文一学中字上。
③ 欲下読二文一学中漢字上。
④ 欲下読二漢文一学中漢字上。
に関しては、
① 下欲二読一文中学上字。
② 下欲二読漢一文中学上字。
③ 下欲二読一文中学漢上字。
④ 下欲二読漢一文中学漢上字。
といふ風に、「書き換へ」る。
然るに、
(〇六)
① 下〔二(一)(中(上=
① 下〔二(一)(中)上〕。
に於いて、
下〔白〕を、
下〔 〕下 に変へ、
二(一)を、
二(一)二 に変へ、
中(上)を、
中(上)中 に変へると、
① 下〔二(一)中(上)〕=
①〔(一)二(上)中〕 下=
①〔(一)二(上)中〕 下。
従って、
(〇五)(〇六)により、
(〇七)
① 欲下読二文一学中字上=
① 文一を読二み字上を学中ばんと欲上す。
といふ「返り点」は、
① 欲〔読(文)学(字)〕=
① 〔(文を)読み(字を)学ばんと〕欲す。
といふ「括弧」に、相当する。
従って、
(〇七)により、
(〇八)
④ 欲下読二漢文一学中漢字上=
④ 漢文一を読二み漢字上を学中ばんと欲上す。
といふ「返り点」は、
④ 欲〔読(漢文)学(漢字)〕=
④ 〔(漢文を)読み(漢字を)学ばんと〕欲す。
といふ「括弧」に、相当する。
従って、
(〇五)~(〇八)により、
(〇九)
① 欲下読二文一学中字上。
② 欲下読二漢文一学中字上。
③ 欲下読二文一学中漢字上。
④ 欲下読二漢文一学中漢字上。
といふ「返り点」は、
① 欲〔読(文)学(字)〕。
② 欲〔読(漢文)学(字)〕。
③ 欲〔読(文)学(漢字)〕。
④ 欲〔読(漢文)学(漢字)〕。
といふ「括弧」に等しい。
従って、
(〇四)(〇九)により、
(一〇)
① 欲下読二文一学中字上。
② 欲下読二漢文一学中字上。
③ 欲下読二文一学中漢字上。
④ 欲下読二漢文一学中漢字上。
⑤ 有下読二文一学二字一者上。
⑥ 有下読二漢文一学二字一者上。
⑦ 有下読二文一学二漢字一者上。
⑧ 有下読二漢文一学二漢字一者上。
といふ「(レ点の無い)返り点」は、
① 欲〔読(文)学(字)〕。
② 欲〔読(漢文)学(字)〕。
③ 欲〔読(文)学(漢字)〕。
④ 欲〔読(漢文)学(漢字)〕。
⑤ 有〔読(文)学(字)者〕。
⑥ 有〔読(漢文)学(字)者〕。
⑦ 有〔読(文)学(漢字)者〕。
⑧ 有〔読(漢文)学(漢字)者〕。
といふ「括弧」に、等しい。
従って、
(〇一)(〇二)(一〇)により、
(一一)
① 欲二読レ文学一レ字。
② 欲下読二漢文一学上レ字。
③ 欲三読レ文学二漢字一。
④ 欲下読二漢文一学中漢字上。
⑤ 有二読レ文学レ字者一。
⑥ 有下読二漢文一学レ字者上。
⑦ 有下読レ文学二漢字一者上。
⑧ 有下読二漢文一学二漢字一者上。
といふ「(レ点が有る)現行の返り点」は、
① 欲〔読(文)学(字)〕。
② 欲〔読(漢文)学(字)〕。
③ 欲〔読(文)学(漢字)〕。
④ 欲〔読(漢文)学(漢字)〕。
⑤ 有〔読(文)学(字)者〕。
⑥ 有〔読(漢文)学(字)者〕。
⑦ 有〔読(文)学(漢字)者〕。
⑧ 有〔読(漢文)学(漢字)者〕。
といふ「括弧」に、等しい。
然るに、
(一二)
丸括弧の導入により、一二点・上下点などの各種の返り点は不要となり、レ点のみで用が足りる(松本巌、漢文訓読の返り点に括弧を導入して構造化する試み(Adobe PDF) - htmlで見 る)。
従って、
(一一)(一二)により、
(一三)
⑧ 有下読二漢文一学二漢字一者上=
⑧ 有〔読(漢文)学(漢字)者〕=
⑧ 有(読(漢文)学(漢字)者)。
といふ「返り点・括弧」は、
⑧ 有レ(読レ(漢文)学レ(漢字)者)。
に等しい。
然るに、
(一四)
⑧ 有〔読(漢文)学(漢字)者〕=
⑧ 有(読(漢文)学(漢字)者)=
⑧ 有レ(読レ(漢文)学レ(漢字)者)。
である以上、
⑧ 有レ(読レ(漢文)学レ(漢字)者)。
に於いて、
⑧ 有レ(読レ(漢文)学レ
は「不要」である。
然るに、
(一五)
⑧ 有下読二漢文一学二漢字一者上=
⑧ 有レ下読レ二漢文一学レ二漢字一者上。
に於ける、
⑧ 有レ下読レ二漢文一学レ
は、不要である。
従って、
(一三)(一四)(一五)により、
(一六)
⑧ 有レ下読レ二漢文一学レ二漢字一者上=
⑧ 有レ(読レ(漢文)学レ(漢字)者)。
に於いて、
⑧ 有レ下読レ二漢文一学レ
⑧ 有レ(読レ(漢文)学レ
は「不要」である。
(一七)
⑨ 使レ(籍誠不レ(以レ(畜レ(妻子)憂レ(飢寒))乱レ心)有レ(財銭)以済レ(医薬))。
に於いて、
⑨ 乱レ(心)
ではなく、
⑨ 乱レ心
である。
然るに、
(一八)
丸括弧内の文字列は、丸括弧外の文字列との関係において一文字として扱う(松本巌、漢文訓読の返り点に括弧を導入して構造化する試み(Adobe PDF) - htmlで見る)。
従って、
(一七)(一八)により、
(一九)
⑨ 乱レ(心。
といふ「レ点」は、
⑩ 乱レ(心)
といふ「レ点と丸括弧」に等しい。
従って、
(一七)(一九)により、
(二〇)
⑨ 使レ(籍誠不レ(以レ(畜レ(妻子)憂レ(飢寒))乱レ心)有レ(財銭)以済レ(医薬))。
といふ「レ点と丸括弧」は、
⑩ 使レ(籍誠不レ(以レ(畜レ(妻子)憂レ(飢寒))乱レ(心))有レ(財銭)以済レ(医薬))。
といふ「レ点と丸括弧」に等しい。
然るに、
(二一)
⑩ 使レ(籍誠不レ(以レ(畜レ(妻子)憂レ(飢寒))乱レ(心))有レ(財銭)以済レ(医薬))。
から、
⑩ 使レ(籍誠不レ(以レ(畜レ(妻子)憂レ(飢寒))乱レ(心))有レ(財銭)以済レ(医薬))。
を除くと、
⑩ 使(籍誠不(以(畜(妻子)憂(飢寒))乱(心))有(財銭)以済(医薬))。
(二二)
⑩ 使(籍誠不(以(畜(妻子)憂(飢寒))乱(心))有(財銭)以済(医薬))。
では、「読みにくい」ため、
( )
〔 〕
[ ]
{ }
を用ゐて、
⑩ 使{籍誠不[以〔畜(妻子)憂(飢寒)〕乱(心)]有(財銭)以済(医薬)}。
とする。
然るに、
(二三)
「漢字」
「漢字「返り点」
「漢字「返り点」を「逆」にすると、
⑩ 使人籍誠不丙以下畜二妻子一憂二飢寒一上乱乙心甲有二財銭一以済地医薬天=
⑩ 人使籍誠丙不下以二畜妻一子二憂飢一寒上乙乱甲心二有財一銭以地済医天薬。
然るに、
(二四)
⑩ 人{丙[下〔二(一)二(一)上〕乙(甲)]二(一)地(天)}⇒
⑩ {[〔(一)二(一)二上〕下(甲)乙]丙(一)二(天)地}人。
従って、
(二一)(二二)(二三)により、
(二五)
⑩ 使{籍誠不[以〔畜(妻子)憂(飢寒)〕乱(心)]有(財銭)以済(医薬)}=
⑩ {籍をして誠に[〔(妻子を)畜ひ(飢寒を)憂ふるを〕以て(心を)乱さ]不(財銭)有りて以て(医薬を)済さ}使む。
といふ「括弧」は、
⑩ 使人籍誠不丙以下畜二妻子一憂二飢寒一上乱乙心甲有二財銭一以済地医薬天=
⑩ 籍をして誠に妻子一を畜二ひ飢寒一憂二ふるを上以下て心甲を乱乙さ不丙財銭一有二りて以て医薬天を済地使人む。
といふ「返り点」に、等しい。
従って、
(一七)~(二五)により、
(二六)
⑨ 使レ(籍誠不レ(以レ(畜レ(妻子)憂レ(飢寒))乱レ心)有レ(財銭)以済レ(医薬))。
といふ「レ点と丸括弧」は、
⑩ 使(籍誠不(以(畜(妻子)憂(飢寒))乱(心))有(財銭)以済(医薬))=
⑩ 使{籍誠不[以〔畜(妻子)憂(飢寒)〕乱(心)]有(財銭)以済(医薬)}。
といふ「括弧」に、等しい。
従って、
(二六)により、
(二七)
⑨ 使レ(籍誠不レ(以レ(畜レ(妻子)憂レ(飢寒))乱レ心)有レ(財銭)以済レ(医薬))。
に於ける、
⑨ 使レ(籍誠不レ(以レ(畜レ(妻子)憂レ(飢寒))乱レ心)有レ(財銭)以済レ(医薬))。
は、不要である。
(二八)
⑪ 読二漢文一=
⑪ 漢文一を 読二む。
に於いて、
二 一=( )
とすれば、
⑪ 読二漢文一=
⑪ 読(漢文)=
⑪ 読(漢文)。
といふ「等式」が、成立する。
(二九)
⑫ 読レ文=
⑫ 読二文一=
⑫ 文一を 読二む。
に於いて、
レ二 =二 一
二 一=( )
とすれば、
⑫ 読レ文=
⑫ 読二文一=
⑫ 読(文)=
⑫ 読(文)。
といふ「等式」が、成立する。
従って、
(二八)(二九)により、
(三〇)
⑫ 読レ文。
⑬ 読レ(漢文)。
といふ「レ点と丸括弧」は、
⑫ 読(文)。
⑪ 読(漢文)。
といふ「括弧」に、等しい。
従って、
(一二)~(三〇)により、
(三一)
丸括弧の導入により、一二点・上下点などの各種の返り点は不要となり、レ点のみで用が足りる。と同時に、レ点自体が、不要となる。
(三二)
⑬ 不〔読(文)〕。
⑭ 不〔読(漢文)〕。
であれば、
⑬〔( )〕
⑭〔( )〕
は、「等しい」。
従って、
(三二)により、
(三三)
⑬〔( )〕
⑭〔( )〕
が「構造(structure)」であるならば、
⑬ 不読文=漢文を読まず。
⑭ 不読漢文=漢文を読まず。
に於ける「構造(structure)」は「等しい」。
然るに、
(三四)
⑬ 不レ読レ文。
⑭ 不レ読レ(漢文)。
に於いて、
⑬ 不レ読レ文
⑭ 不レ読レ(漢文)
は、「等しく」はない。
従って、
(三四)により、
(三五)
⑬ 不レ読レ文
⑭ 不レ読レ(漢文)
といふ「二通り」が、「構造(structure)」であるならば、
⑬ 不読文=漢文を読まず。
⑭ 不読漢文=漢文を読まず。
に於ける「構造(structure)」は「等しく」ない。
従って、
(三五)により、
(三六)
⑬ 不読文=漢文を読まず。
⑭ 不読漢文=漢文を読まず。
に於ける「構造(structure)」が「等しい」のであれば、
⑬ 不レ読レ文
⑭ 不レ読レ(漢文)
は、「構造(structure)」ではない。
平成二七年〇三月二五日、毛利太。
(〇一)
① 欲二読レ文学一レ字。
② 欲下読二漢文一学上レ字。
③ 欲三読レ文学二漢字一。
④ 欲下読二漢文一学中漢字上。
⑤ 有二読レ文学レ字者一。
⑥ 有下読二漢文一学レ字者上。
⑦ 有下読レ文学二漢字一者上。
⑧ 有下読二漢文一学二漢字一者上。
に対する「書き下し文」は、
① 漢文を読み漢字を学ばんと欲す。
② 漢文を読み漢字を学ばんと欲す。
③ 漢文を読み漢字を学ばんと欲す。
④ 漢文を読み漢字を学ばんと欲す。
⑤ 漢文を読み漢字を学ぶ者有り。
⑥ 漢文を読み漢字を学ぶ者有り。
⑦ 漢文を読み漢字を学ぶ者有り。
⑧ 漢文を読み漢字を学ぶ者有り。
であって、これらは、全て、
1 連続した二字を転倒させる場合は、必ずレ点を用い、他の返り点を用いてはならない。
2 連続した二字の上下を転倒させる以外の場合に、レ点を用いてはならない。
(古田島洋介、これならわかる返り点、2009年、五七・五八頁)
といふ「ルール」を、満たしてゐる。
然るに、
(〇二)
1 連続した二字を転倒させる場合は、必ずレ点を用い、他の返り点を用いてはならない。
といふ「ルール」が無ければ、
① 欲下読二文一学中字上。
② 欲下読二漢文一学中字上。
③ 欲下読二文一学中漢字上。
④ 欲下読二漢文一学中漢字上。
⑤ 有下読二文一学二字一者上。
⑥ 有下読二漢文一学二字一者上。
⑦ 有下読二文一学二漢字一者上。
⑧ 有下読二漢文一学二漢字一者上。
といふ「返り点」は、「正しい」。
然るに、
(〇三)
⑤ 有下読二文一学二字一者上。
⑥ 有下読二漢文一学二字一者上。
⑦ 有下読二文一学二漢字一者上。
⑧ 有下読二漢文一学二漢字一者上。
に対する、
⑤ 有〔読(文)学(字)者〕。
⑥ 有〔読(漢文)学(字)者〕。
⑦ 有〔読(文)学(漢字)者〕。
⑧ 有〔読(漢文)学(漢字)者〕。
に於いて、
⑤ 有下読二文一学二字一者上。
⑥ 有下読二漢文一学二字一者上。
⑦ 有下読二文一学二字字一者上。
⑧ 有下読二漢文一学二漢字一者上。
といふ「返り点」は、
⑤ 有〔読(文)学(字)者〕。
⑥ 有〔読(漢文)学(字)者〕。
⑦ 有〔読(文)学(漢字)者〕。
⑧ 有〔読(漢文)学(漢字)者〕。
といふ「返り点」に等しい。
従って、
(〇三)により、
(〇四)
⑤ 有下読二文一学二字一者上。
⑥ 有下読二漢文一学二字一者上。
⑦ 有下読二文一学二漢字一者上。
⑧ 有下読二漢文一学二漢字一者上。
といふ「返り点」は、
⑤ 有〔読(文)学(字)者〕。
⑥ 有〔読(漢文)学(字)者〕。
⑦ 有〔読(文)学(漢字)者〕。
⑧ 有〔読(漢文)学(漢字)者〕。
といふ「括弧」に等しい。
(〇五)
① 欲下読二文一学中字上。
② 欲下読二漢文一学中字上。
③ 欲下読二文一学中漢字上。
④ 欲下読二漢文一学中漢字上。
に関しては、
① 下欲二読一文中学上字。
② 下欲二読漢一文中学上字。
③ 下欲二読一文中学漢上字。
④ 下欲二読漢一文中学漢上字。
といふ風に、「書き換へ」る。
然るに、
(〇六)
① 下〔二(一)(中(上=
① 下〔二(一)(中)上〕。
に於いて、
下〔白〕を、
下〔 〕下 に変へ、
二(一)を、
二(一)二 に変へ、
中(上)を、
中(上)中 に変へると、
① 下〔二(一)中(上)〕=
①〔(一)二(上)中〕 下=
①〔(一)二(上)中〕 下。
従って、
(〇五)(〇六)により、
(〇七)
① 欲下読二文一学中字上=
① 文一を読二み字上を学中ばんと欲上す。
といふ「返り点」は、
① 欲〔読(文)学(字)〕=
① 〔(文を)読み(字を)学ばんと〕欲す。
といふ「括弧」に、相当する。
従って、
(〇七)により、
(〇八)
④ 欲下読二漢文一学中漢字上=
④ 漢文一を読二み漢字上を学中ばんと欲上す。
といふ「返り点」は、
④ 欲〔読(漢文)学(漢字)〕=
④ 〔(漢文を)読み(漢字を)学ばんと〕欲す。
といふ「括弧」に、相当する。
従って、
(〇五)~(〇八)により、
(〇九)
① 欲下読二文一学中字上。
② 欲下読二漢文一学中字上。
③ 欲下読二文一学中漢字上。
④ 欲下読二漢文一学中漢字上。
といふ「返り点」は、
① 欲〔読(文)学(字)〕。
② 欲〔読(漢文)学(字)〕。
③ 欲〔読(文)学(漢字)〕。
④ 欲〔読(漢文)学(漢字)〕。
といふ「括弧」に等しい。
従って、
(〇四)(〇九)により、
(一〇)
① 欲下読二文一学中字上。
② 欲下読二漢文一学中字上。
③ 欲下読二文一学中漢字上。
④ 欲下読二漢文一学中漢字上。
⑤ 有下読二文一学二字一者上。
⑥ 有下読二漢文一学二字一者上。
⑦ 有下読二文一学二漢字一者上。
⑧ 有下読二漢文一学二漢字一者上。
といふ「(レ点の無い)返り点」は、
① 欲〔読(文)学(字)〕。
② 欲〔読(漢文)学(字)〕。
③ 欲〔読(文)学(漢字)〕。
④ 欲〔読(漢文)学(漢字)〕。
⑤ 有〔読(文)学(字)者〕。
⑥ 有〔読(漢文)学(字)者〕。
⑦ 有〔読(文)学(漢字)者〕。
⑧ 有〔読(漢文)学(漢字)者〕。
といふ「括弧」に、等しい。
従って、
(〇一)(〇二)(一〇)により、
(一一)
① 欲二読レ文学一レ字。
② 欲下読二漢文一学上レ字。
③ 欲三読レ文学二漢字一。
④ 欲下読二漢文一学中漢字上。
⑤ 有二読レ文学レ字者一。
⑥ 有下読二漢文一学レ字者上。
⑦ 有下読レ文学二漢字一者上。
⑧ 有下読二漢文一学二漢字一者上。
といふ「(レ点が有る)現行の返り点」は、
① 欲〔読(文)学(字)〕。
② 欲〔読(漢文)学(字)〕。
③ 欲〔読(文)学(漢字)〕。
④ 欲〔読(漢文)学(漢字)〕。
⑤ 有〔読(文)学(字)者〕。
⑥ 有〔読(漢文)学(字)者〕。
⑦ 有〔読(文)学(漢字)者〕。
⑧ 有〔読(漢文)学(漢字)者〕。
といふ「括弧」に、等しい。
然るに、
(一二)
丸括弧の導入により、一二点・上下点などの各種の返り点は不要となり、レ点のみで用が足りる(松本巌、漢文訓読の返り点に括弧を導入して構造化する試み(Adobe PDF) - htmlで見 る)。
従って、
(一一)(一二)により、
(一三)
⑧ 有下読二漢文一学二漢字一者上=
⑧ 有〔読(漢文)学(漢字)者〕=
⑧ 有(読(漢文)学(漢字)者)。
といふ「返り点・括弧」は、
⑧ 有レ(読レ(漢文)学レ(漢字)者)。
に等しい。
然るに、
(一四)
⑧ 有〔読(漢文)学(漢字)者〕=
⑧ 有(読(漢文)学(漢字)者)=
⑧ 有レ(読レ(漢文)学レ(漢字)者)。
である以上、
⑧ 有レ(読レ(漢文)学レ(漢字)者)。
に於いて、
⑧ 有レ(読レ(漢文)学レ
は「不要」である。
然るに、
(一五)
⑧ 有下読二漢文一学二漢字一者上=
⑧ 有レ下読レ二漢文一学レ二漢字一者上。
に於ける、
⑧ 有レ下読レ二漢文一学レ
は、不要である。
従って、
(一三)(一四)(一五)により、
(一六)
⑧ 有レ下読レ二漢文一学レ二漢字一者上=
⑧ 有レ(読レ(漢文)学レ(漢字)者)。
に於いて、
⑧ 有レ下読レ二漢文一学レ
⑧ 有レ(読レ(漢文)学レ
は「不要」である。
(一七)
⑨ 使レ(籍誠不レ(以レ(畜レ(妻子)憂レ(飢寒))乱レ心)有レ(財銭)以済レ(医薬))。
に於いて、
⑨ 乱レ(心)
ではなく、
⑨ 乱レ心
である。
然るに、
(一八)
丸括弧内の文字列は、丸括弧外の文字列との関係において一文字として扱う(松本巌、漢文訓読の返り点に括弧を導入して構造化する試み(Adobe PDF) - htmlで見る)。
従って、
(一七)(一八)により、
(一九)
⑨ 乱レ(心。
といふ「レ点」は、
⑩ 乱レ(心)
といふ「レ点と丸括弧」に等しい。
従って、
(一七)(一九)により、
(二〇)
⑨ 使レ(籍誠不レ(以レ(畜レ(妻子)憂レ(飢寒))乱レ心)有レ(財銭)以済レ(医薬))。
といふ「レ点と丸括弧」は、
⑩ 使レ(籍誠不レ(以レ(畜レ(妻子)憂レ(飢寒))乱レ(心))有レ(財銭)以済レ(医薬))。
といふ「レ点と丸括弧」に等しい。
然るに、
(二一)
⑩ 使レ(籍誠不レ(以レ(畜レ(妻子)憂レ(飢寒))乱レ(心))有レ(財銭)以済レ(医薬))。
から、
⑩ 使レ(籍誠不レ(以レ(畜レ(妻子)憂レ(飢寒))乱レ(心))有レ(財銭)以済レ(医薬))。
を除くと、
⑩ 使(籍誠不(以(畜(妻子)憂(飢寒))乱(心))有(財銭)以済(医薬))。
(二二)
⑩ 使(籍誠不(以(畜(妻子)憂(飢寒))乱(心))有(財銭)以済(医薬))。
では、「読みにくい」ため、
( )
〔 〕
[ ]
{ }
を用ゐて、
⑩ 使{籍誠不[以〔畜(妻子)憂(飢寒)〕乱(心)]有(財銭)以済(医薬)}。
とする。
然るに、
(二三)
「漢字」
「漢字「返り点」
「漢字「返り点」を「逆」にすると、
⑩ 使人籍誠不丙以下畜二妻子一憂二飢寒一上乱乙心甲有二財銭一以済地医薬天=
⑩ 人使籍誠丙不下以二畜妻一子二憂飢一寒上乙乱甲心二有財一銭以地済医天薬。
然るに、
(二四)
⑩ 人{丙[下〔二(一)二(一)上〕乙(甲)]二(一)地(天)}⇒
⑩ {[〔(一)二(一)二上〕下(甲)乙]丙(一)二(天)地}人。
従って、
(二一)(二二)(二三)により、
(二五)
⑩ 使{籍誠不[以〔畜(妻子)憂(飢寒)〕乱(心)]有(財銭)以済(医薬)}=
⑩ {籍をして誠に[〔(妻子を)畜ひ(飢寒を)憂ふるを〕以て(心を)乱さ]不(財銭)有りて以て(医薬を)済さ}使む。
といふ「括弧」は、
⑩ 使人籍誠不丙以下畜二妻子一憂二飢寒一上乱乙心甲有二財銭一以済地医薬天=
⑩ 籍をして誠に妻子一を畜二ひ飢寒一憂二ふるを上以下て心甲を乱乙さ不丙財銭一有二りて以て医薬天を済地使人む。
といふ「返り点」に、等しい。
従って、
(一七)~(二五)により、
(二六)
⑨ 使レ(籍誠不レ(以レ(畜レ(妻子)憂レ(飢寒))乱レ心)有レ(財銭)以済レ(医薬))。
といふ「レ点と丸括弧」は、
⑩ 使(籍誠不(以(畜(妻子)憂(飢寒))乱(心))有(財銭)以済(医薬))=
⑩ 使{籍誠不[以〔畜(妻子)憂(飢寒)〕乱(心)]有(財銭)以済(医薬)}。
といふ「括弧」に、等しい。
従って、
(二六)により、
(二七)
⑨ 使レ(籍誠不レ(以レ(畜レ(妻子)憂レ(飢寒))乱レ心)有レ(財銭)以済レ(医薬))。
に於ける、
⑨ 使レ(籍誠不レ(以レ(畜レ(妻子)憂レ(飢寒))乱レ心)有レ(財銭)以済レ(医薬))。
は、不要である。
(二八)
⑪ 読二漢文一=
⑪ 漢文一を 読二む。
に於いて、
二 一=( )
とすれば、
⑪ 読二漢文一=
⑪ 読(漢文)=
⑪ 読(漢文)。
といふ「等式」が、成立する。
(二九)
⑫ 読レ文=
⑫ 読二文一=
⑫ 文一を 読二む。
に於いて、
レ二 =二 一
二 一=( )
とすれば、
⑫ 読レ文=
⑫ 読二文一=
⑫ 読(文)=
⑫ 読(文)。
といふ「等式」が、成立する。
従って、
(二八)(二九)により、
(三〇)
⑫ 読レ文。
⑬ 読レ(漢文)。
といふ「レ点と丸括弧」は、
⑫ 読(文)。
⑪ 読(漢文)。
といふ「括弧」に、等しい。
従って、
(一二)~(三〇)により、
(三一)
丸括弧の導入により、一二点・上下点などの各種の返り点は不要となり、レ点のみで用が足りる。と同時に、レ点自体が、不要となる。
(三二)
⑬ 不〔読(文)〕。
⑭ 不〔読(漢文)〕。
であれば、
⑬〔( )〕
⑭〔( )〕
は、「等しい」。
従って、
(三二)により、
(三三)
⑬〔( )〕
⑭〔( )〕
が「構造(structure)」であるならば、
⑬ 不読文=漢文を読まず。
⑭ 不読漢文=漢文を読まず。
に於ける「構造(structure)」は「等しい」。
然るに、
(三四)
⑬ 不レ読レ文。
⑭ 不レ読レ(漢文)。
に於いて、
⑬ 不レ読レ文
⑭ 不レ読レ(漢文)
は、「等しく」はない。
従って、
(三四)により、
(三五)
⑬ 不レ読レ文
⑭ 不レ読レ(漢文)
といふ「二通り」が、「構造(structure)」であるならば、
⑬ 不読文=漢文を読まず。
⑭ 不読漢文=漢文を読まず。
に於ける「構造(structure)」は「等しく」ない。
従って、
(三五)により、
(三六)
⑬ 不読文=漢文を読まず。
⑭ 不読漢文=漢文を読まず。
に於ける「構造(structure)」が「等しい」のであれば、
⑬ 不レ読レ文
⑭ 不レ読レ(漢文)
は、「構造(structure)」ではない。
平成二七年〇三月二五日、毛利太。