2016年4月2日土曜日

「返り点」完全ガイド。

「返り点」完全ガイド。
このブログは、PC上では「縦書き」で表示され、ブラウザがIEであるとして、マウスポインタが、「縦書きの部分」にある時に、マウスのホイールを回すと、左右にスクロールし、「横書きの部分」では、上下にスクロールします。
下に見えてゐる、スクロールノブでスクロールする場合は、左右にだけスクロールします。
(〇一)
(a)レ
(b)一レ 上レ 甲レ 天レ
(c)一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
(d)上 下 中
(e)甲 乙 丙 丁 戊 ・ ・ ・ ・ ・
(f)天 地 人
(g)―(ハイフン)
(h)再読文字
について、「完璧」に説明したいと思ひます。
ただし、
(〇二)
ブラウザの関係で、
(g)縦線(ハイフン)
を「うまく表示」出来ないことが有る場合は、そのことを、予め、お詫びします。
(〇三)
「正しく表示されてゐる」場合、
(g)縦線(ハイフン)は、
⑩ 訓読 漢文
のやうに、
⑩「漢字(訓)と漢字(読)の間」にあって、
⑩「返り点(二)」は、
⑩「縦線(ハイフン)の左側」に付きます。
(〇四)
「返り点」が付いてゐない「漢字」は、「そのまま、上から下へ読む」⇔
「返り点」が付いてゐない「漢字」から「上の漢字へ、返ることはない」。
といふことを、「公理(〇四)」とします。
(〇五)
「返り点」が付いてゐる 「漢字」は、「上の漢字へ返る」⇔
「返り点」が付いてゐる 「漢字」は、「下の漢字へ返ることはない」。
といふことを、「公理(〇五)」とします。
(〇六)
「レ点」は、「レ点以外」の「返り点」に置き換へることが出来る。
といふこと、すなはち、
(a)レ
(b)一レ 上レ 甲レ 天レ
の場合は、
(c)一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
(d)上 下 中
(e)甲 乙 丙 丁 戊 ・ ・ ・ ・ ・
(f)天 地 人
に「置き換へる」ことが出来る。
といふことを、「公理(〇六)」とします。
然るに、
(〇七)
WHO ARE YOU
YOU WHO ARE
あなたは 誰  ですか
であるならば、
WHO から、
ARE へ、「返ってゐる」。
従って、
(〇八)


あなたは ですか
がさうであるやうに、
「返り点」は、例へば、
2 3 1
2 3 4 1
2 4 3 1
2 4 1 3
2 4 5 1 3
といふ「順番」を、表すことが出来ない。
といふことは、「公理(五)」である。
(〇九)
① 非
② 使 籍誠不一レ上レ 心 有 以済甲レ
③ 使十三 籍誠不 以済十二十一
④ 使 籍誠不 妻子 飢寒 良心 銭財 以済 医薬
⑤ 知 我不 小節 而 恥 功名 不 必 顕 于天下 也。
⑥ 知 我不 小節 而 恥 功名 不上レ 于天下也。
⑦ 恐 衆狙之不一レ 己。
⑧ 恐 衆狙之不一レ 於己
⑨ 恐 衆狙之不 常馴 於己
⑩ 三分 天下
⑪ 知以 治一レ 人。
⑫ 知以 治一レ 人。
⑬ 夫庸知 其年之 先後-生 於吾乎。
⑭ 未 嘗 不息 痛恨 於桓霊也。
ss 可否
⑯ 尚不 可否
⑰ 盍 各言 爾志
sに対する「書き下し文」は、
.次のやうに、なります。
① 書を読まざるに非ず。
② 籍をして誠に妻を畜ひ飢ゑを憂ふるを以て心を乱さず財有りて以て医を済さ使む。
③ 籍をして誠に妻を畜ひ飢ゑを憂ふるを以て心を乱さず財有りて以て医を済さ使む。
④ 籍をして誠に妻子を畜ひ飢寒を憂ふるを以て良心を乱さず銭財有りて以て医薬を済さ使む。
⑤ 我の小節を羞ぢずして功名の必ずしも天下に顕はれざるを恥づるを知ればなり。
⑥ 我の小節を羞ぢずして功名の天下に顕はれざるを恥づるを知ればなり。
⑦ 衆狙の己に馴れざるを恐る。
⑧ 衆狙の己に馴れざるを恐る。
⑨ 衆狙の常には己に馴れざるを恐る。
⑩ 天下を三分す。
⑪ 人を治める所以を知る。
⑫ 人を治める所以を知る。
⑬ 夫れ庸ぞ其の年の先後生なるを知らんや。
⑭ 未だ嘗て桓霊に嘆息痛恨せずんばあらざるなり。
⑮ 未だ可否を知らず。
⑯ 尚可否を知らず。
⑰ 盍ぞ各々爾の志を言はざる。
然るに、
(一〇)
① 非
② 使 籍誠不一レ上レ 心 有 以済甲レ
⑤ 知 我不 小節 而 恥 功名 不 必 顕 于天下 也。
⑥ 知 我不 小節 而 恥 功名 不上レ 于天下也。
⑦ 恐 衆狙之不一レ 己。
⑧ 恐 衆狙之不一レ 於己
⑪ 知以 治一レ 人。
⑫ 知以 治一レ 人。
ss 可否
⑯ 尚不 可否
の場合は、
(a)レ
(b)一レ 上レ 甲レ 天レ
を、含んでゐる。
従って、
(一一)
「公理(〇六)」により、
① 非
② 使 籍誠不一レ上レ 心 有 以済甲レ
⑤ 知 我不 小節 而 恥 功名 不 必 顕 于天下 也。
⑥ 知 我不 小節 而 恥 功名 不上レ 于天下也。
⑦ 恐 衆狙之不一レ 己。
⑧ 恐 衆狙之不一レ 於己
⑪ 知以 治一レ 人。
⑫ 知以 治一レ 人。
ss 可否
⑯ 尚不
といふ「返り点」は、
① 非
② 使 籍誠不 以済
⑤ 知 我不 小節 而 恥 功名 不 必 顕 于天下 也。
⑥ 知 我不 小節 而 恥 功名 不 于天下 也。
⑦ 恐 衆狙之不
⑧ 恐 衆狙之不 於己
⑪ 知以 治
⑫ 知以 治
ss 可否
⑯ 尚不 可否
といふ「返り点」に等しい。
(一二)
(a)レ点 は、
① 非
① 非
① 書を読まざるに非ず。
がさうであるやうに、
(a)「一字だけ、上の字に返る」際に用ゐます。
然るに、
(一三)
① 非
と書くよりも、
① 非
と書く方が、「簡単」であり、
① 非
と書くよりも、
① 非
と書く方が、「簡単」である。
従って、
(一四)
① 四  三 二 一 の「省略形」が、
① レ レ レ    である。
といふ風に、理解することが出来る。
従って、
(一五)
私自身は、「レ点は下の字に属して左肩につけ、その他の一二点などは字の左下につける(原田種成、私の漢文講義、1995年、41頁)。」といふ風には、考へません。
(一六)
(b)一レ 上レ 甲レ 天レ は、
② 使 籍誠不一レ上レ 心 有 以済甲レ
② 籍をして誠に妻を畜ひ飢ゑを憂ふるを以て心を乱さず財有りて以て薬を済さ使む。
がそうであるやうに、
(b)「一字だけ上に返り、更に、二字以上、上の字に返る」際に用ゐます。
ところで、
(一七)
(b)一レ に対して、
(b)二レ は、
(b)二レ 一 に、相当します。
然るに、
(一八)
(b)二レ 一 は、
(b)二 一 一 に、相当する一方で、
(b)二 一 一 であれば、
(b)二 に対して、
(b)一 から「返り」、その上で、もう一度、
(b)一 から「返る」ことになる。
従って、
(一七)(一八)により、
(一九)
(b)一レ   に対して、
(b)二レ 一 は有り得ません。
従って、
(二〇)
(b)一レ 上レ 甲レ 天レ に対して、それぞれ、
(b)二レ 中レ 乙レ 地レ 等の「返り点」も、有り得ません。
(二一)
(d)上 中 下 は、
「二字」を用ゐる際は、
(d)上 → 下
の「順」で用ゐ、
「三字」を用いる際は、
(d)上 → 中 → 下
の「順」で用ゐます。
(二二)
(c)一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
(d)上 中 上
(e)甲 乙 丙 丁 戊 ・ ・ ・ ・ ・
(f)天 地 人
の四つは、
④ 使 籍誠不 妻子 飢寒 良心 銭財 以済 医薬
④ 籍をして誠に妻子を畜ひ飢寒を憂ふるを以て良心を乱さず銭財有りて以て医薬を済さ使む。
がそうであるやうに、「二字以上、上の字に返る」際に用ゐます。
然るに、
(二三)
古田島氏が返り点を非論理的だと指摘する根拠は、足りなくなる可能性があるからということらしい。しかし、これは簡単に解決できる。すべて一二点に変換すればいいのである。一二点は無限にあるから、どんなに複雑な構文が出現しても対応できる。実際、一二点しか施していないものも過去にはあった(ブログ、困窮庵日乗)。
然るに、
(二四)
② 乙 下 二 レ   一レ  上レ  レ   甲レ
④ 人 丙 下 二 一 中 上 乙 甲 二 一 地 天
を「一二点」に変換すると、
③ 十三 八 五 二 一 四 三 七 六 十 九 十二 十一
となるものの、
③ 使十三 籍誠不 以済十二十一
の場合は、
③ 五 二 一 四 三
だけを見ても、
③ 下(一)から上(二)へ返ってゐて、
③ 上(二)から下(三)へ返ってゐる。
従って、
(二五)
③ 十三 八 五 二 一 四 三 七 六 十 九 十二 十一
の場合は、
③ 下から上へ返り、
③ 上から下へ返る。
といふ、ことになる。
然るに、
(二六)
② 乙 下 二 レ   一レ  上レ  レ   甲レ
④ 人 丙 下 二 一 中 上 乙 甲 二 一 地 天
の場合は、
④ 下 二 一 中 上
であれば、
④ 二 一
に対して、
④ 中 上
は、「別の、返り点」であるため、
④ 人 丙 下 二 一 中 上 乙 甲 二 一 地 天
に於ける、
④ 二 一
④ 下 中 上
④ 丙 乙 甲
④ 二 一
④ 人 地 天
の場合は、
③ 下から上へ返る。
だけであって、
③ 上から下へ返る。
といふことが無い。
そのため、
(二七)
一二点は無限にあるから、どんなに複雑な構文が出現しても対応できる。実際、一二点しか施していないものも過去にはあった(ブログ、困窮庵日乗)。
といふことが、「本当」であったとしても、
② 使 籍誠不一レ上レ 心 有 以済甲レ
③ 使十三 籍誠不 以済十二十一
に於いて、
②に対する、
③は、「極めて、読みにくい」。
従って、
(二八)
(c)一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
(d)上 下 中
(e)甲 乙 丙 丁 戊 ・ ・ ・ ・ ・
(f)天 地 人
に対して、
(c)一 二 三 四 五 六 七 八 九 十 十一 十二 十三 ・ ・ ・ ・
だけからなる「返り点」は、「極めて、読みにくい」。
(二九)
(c)一レ & 一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
(d)上レ & 上 下 中
(e)甲レ & 甲 乙 丙 丁 戊 ・ ・ ・ ・ ・
(f)天レ & 天 地 人
の四つは、
② 使 籍誠不一レ上レ 心 有 以済甲レ
② 籍をして誠に妻を畜ひ飢ゑを憂ふるを以て心を乱さず財有りて以て薬を済さ使む。
④ 使 籍誠不 妻子 飢寒 良心 銭財 以済 医薬
④ 籍をして誠に妻子を畜ひ飢寒を憂ふるを以て良心を乱さず財有りて以て医薬を済さ使む。
がそうであるやうに、
(a)を「挟んで返る」場合に、(c)を用ゐ、
(c)を「挟んで返る」場合に、(d)を用ゐ、
(d)を「挟んで返る」場合に、(e)を用ゐ、
(e)を「挟んで返る」場合に、(f)を用ゐます。
ただし、
(三〇)
(a)レ
(c)一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
を挟んで、
(d)上 下
(d)上 中 下
を用ゐようとする時に、
(d)上 中 下
の三つでは「足りない」場合は、
⑤ 知 我不 小節 而 恥 功名 不 必 顕 于天下 也=
⑤ 我の小節を羞ぢずして功名の必ずしも天下に顕はれざるを恥づるを知ればなり。
がそうであるやうに、已むを得ず、
⑤ 囗 レ 二 一 囗 下 中 上
ではなく、
⑤ 戊 レ 二 一 丁 丙 乙 甲
を用ゐます。
従って、
(三一)
⑤ 知 我不 小節 而 恥 功名 不 必 顕 于天下 也=
⑤ 我の小節を羞ぢずして功名の必ずしも天下に顕はれざるを恥づるを知ればなり。
から、
⑤ 常 の「一字」を除くと、
⑥ 知 我不 小節 而 恥 功名 不上レ
⑥ 我の小節を羞ぢずして功名の天下に顕(あら)はれざるを恥づるを知ればなり。
となって、「返り点」は、
⑤ 戊 レ 二 一 丁 丙  乙 甲 から、
⑥ 下 レ 二 一 中 上レ 二 一 に、変はります。
従って、
(三二)
初めから、
(c)一 二 三 四 五 六 七
(d)上 下 中 囗 囗 囗
(e)甲 乙 丙 丁 戊
(f)天 地 人 囗
くらゐの「返り点」が「用意」されてゐれば、良いものの、「返り点」には、そのやうな「配慮」が有りません。
(三三)
⑦ 恐衆狙之不馴 己。
⑧ 恐衆狙之不馴於己。
に於いて、
⑧       於
は、「置き字」なので、読みません。
そのため、
(三四)
「書き下し文」は、両方とも、
⑦ 衆狙の己に馴れざるを恐る。
⑧ 衆狙の己に馴れざるを恐る。
という風に、「同じ」になります。
ただし、
(三五)
(a)レ点  は、「一字だけ上の字に返る」際に用ゐる。
(b)一レ  は、「一字だけ上に返り、更に、二字以上、上の字に返る」際に用ゐる。
(b)一レ  は、「一二点や、上下点」等と、「合はせて」用ゐることが出来る。
(c)一二点 は、「二字以上、上の字に返る」際に用ゐる。
といふことから、
⑦ 恐衆狙之不馴 己。
⑧ 恐衆狙之不馴於己。
の「返り点」は、
⑦ 二 一レ レ
⑧ 二 一レ 二 一
といふことになり、「同じ」にはなりません。
然るに、
(三六)
(c)一二点 は、「二字以上、上の字に返る」際に用ゐる。
といふことから、
⑨ 恐衆狙之不必馴於己=
⑨ 衆狙の常には己に馴れざるを恐る。
の「返り点」は、
⑨ 四 三 二 一
になります。
従って、
(三五)(三六)により、
(三七)
(c)一二点 は、「二字以上、上の字に返る」際に用ゐる。
といふ「ルール」を、
(c)一二点 は、「字以上、上の字に返る」際に用ゐる。
といふ「ルール」に「変更」すれば、
⑦ 恐衆狙之不 馴 己。
⑧ 恐衆狙之不 馴於己。
⑨ 恐衆狙之不必馴於己。
の「返り点」は、三つとも、
⑦ 四 三 二 一
⑧ 四 三 二 一
⑨ 四 三 二 一
といふ風に、「同じ」になります。
従って、
(三八)
「初学者」の方であれば、取りあへず、
⑦ 恐衆狙之不馴己。
⑧ 恐衆狙之不馴於己。
⑨ 恐衆狙之不必馴於己。
に対して、
⑦ 恐 衆狙之不
⑧ 恐 衆狙之不 於己
⑨ 恐 衆狙之不 常馴 於己
のやうに、
⑦ 四 三 二 一
⑧ 四 三 二 一
⑨ 四 三 二 一
を打ってみて、その上で、
(a)レ   は、「一字だけ上の字に返る」際に用ゐる。
(b)一レ  は、「一字だけ上に返り、更に、二字以上、上の字に返る」際に用ゐる。
(b)一レ  は、「一二点や、上下点」等と、「合はせて」用ゐることが出来る。
(c)一二点 は、「二字以上、上の字に返る」際に用ゐる。
といふ「(煩雑な)ルール」から「判断」して、
⑦ 恐 衆狙之不一レ 己。
⑧ 恐 衆狙之不一レ 於己
⑨ 恐 衆狙之不 常馴 於己
のやうに、「返り点」としては、
⑦ 二 一レ レ
⑧ 二 一レ 二 一
⑨ 四 三  二 一
が「正しい」といふことを、「導き出す」ことを、勧めます。
(三九)
(g)―(ハイフン) は、
⑩ 三‐分天下=
⑩ 天下を三‐分す。
がそうであるやうに、
(g)「返る先の語」に限って、その語が、
(g)「熟語(WORD)」であることを、示してゐます。
従って、
(四〇)
三分 も、
天下 も、両方とも「熟語」ではあっても、
三分 の方は、三‐分 となり、
天下 の方は、天‐下 にはなりません。
(四一)
⑪ 知所以治人=
⑪ 人を治める所以を知る。
の「返り点」は、
⑪ 知以 治一レ 人=
とするのが、「一般的」であるやうです。
ところが、
(四二)
「中西 清 (著)、月洞 譲 (著)、漢文公式と問題正解法 (1967年) 、12頁」に於いて、
⑫ 知以 治一レ 人=
⑫ 人を治める所以を知る。
とされてゐます。
然るに、
(四三)
 漢文の返り点は大体の標準があったが、細かいところには違いがあった。
例えば、
(A) 欲捨 之
(B) 欲捨 之
(C) 我将 彼而不一レ 吾力 焉。
(D) 我将 彼而不上レ 吾力 焉。
これをどちらにするか協議したが、私が明治四十五年三月二十九日の官報に掲載された「漢文の句読・返点・添仮名・読方法」に従って、(A)に従うのがよいとし、(C)(D)はそれに記載がないが、「上・下」「上・中・下」は「一・二・三」などをまたいで読むときに用いるものであるから(C)を用いるのがよいと決めた。
(原田種成、漢文のすすめ、1992年、一一二頁)。
従って、
(四四)
原田先生の場合であれば、
⑪ 知以 治一レ 人=
⑪ 人を治める所以を知る。
のやうに、
(g)―(ハイフン)
は「不要」である。といふことになります。
従って、
(四五)
ハイフォンはなくとてもかまわない(二畳庵主人、漢文法基礎、1977年、31頁)。
といふことになるものの、「試験の際」にどうかと。といふことは、別の問題である。と、思はれます。
(四六)
「三省堂、明解古典学習シリーズ20、1973年、50頁」を見る限り、
⑬ 夫庸知 其年之 先後-生 於吾乎=
⑬ 夫れ庸ぞ其の年の先-後-生なるを知らんや。
といふ風に、なってゐます。
(四七)
「三省堂、明解古典学習シリーズ20、1973年、12頁」を見る限り、
⑭ 未 嘗 不息 痛恨 於桓霊也=
⑭ 未だ嘗て桓霊に 嘆‐息‐痛‐恨せ ずんばあらざるなり。
といふ風に、なってゐます。
従って、
(四八)
⑭ 嘆息 痛恨 於桓霊
といふ「四文字熟語」は、「公理(〇五)」の「例外」である。
といふことに、なります。
(四九)
(2)「未」は「未ダ~ズ」とよみ、「まだ~しない」の意で、「尚不」と同じである。
(中澤希男、澁谷玲子、漢文訓読の基礎、1985年、90頁)
従って、
(四九)により、
(五〇)
ss 可否
⑯ 尚不 可否
⑯ いまだ可否を知らず。
の場合は、「最初」に、
⑯ 尚不 の、
⑯ 尚  を、
⑯ いまだ と読み、「レ点」で戻って来た時に、
⑯  不 を
⑯ ず と読んでゐる。
従って、
(三九)(五〇)により、
(五一)
⑩ 三‐分 は、「二字」で「一語(WORD)」 であり、
⑮ 未   は、「一字」で「二語(WORDS)」である。
(五二)
[句法]
* 盍囗 再読文字で、音カフ。
「何不」が合わさったもの。
「何不囗」と同じ。
(三省堂、明解古典学習シリーズ16、1973年、16頁)
従って、
(五三)
⑰  盍 爾志
⑰ 何不 爾志
⑰ 盍ぞ各々爾の志を言はざる。
に於ける、
⑰ 盍=何不 こそは、「一字」で「二語(WORDS)」である。
平成廿八年三月二日、毛利太。

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