2015年8月28日金曜日

「返り点」入門。

ブロガー18(返り点入門)
このブログは、PC上では「縦書き」で表示され、マウスポインタが、「縦書きの部分」にある時に、マウスのホイールを回すと、左右にスクロールし、「横書きの部分」では、上下にスクロールします。下に見えてゐる、スクロールノブでスクロールする場合は、左右にだけスクロールします。
(〇一)
次の数字に対して、「返り点」を付けることにする。
654321。
654312。
651234。
615432。
651432。
651243。
615423。
51423。
53124。
7312645。
(〇二)
この時、「返り点」は、「漢字の左下」に付いてゐるとする。
従って、
(〇二)により、
(〇三)
書=書を読む。
であれば、
書 に対して、「返り点」は付いてゐないし、
漢文=漢文を読む。
であれば、
漢 に対して、「返り点」は付いてゐない。
(〇四)
「返り点」が付いてゐない「数字」を、「丸」で囲むと、次のやうになる。
65432①。
6543①2。
65①②③4。
6①543②。
65①43②。
65①②43。
6①54②3。
5①4②3。
53①24。
73①26④5。
(〇五)
「返り点」を付けると、次のやうになる。
①。
①2
①②③4
①5一レ②。
①4一レ②。
①②4一レ3。
①5一レ②3
①4②3
①2
①2④5
(〇六)
右の「返り点」を、「一二点」だけで表すと、次のやうになる。

①2
①②③4
①5
①4
①②4
①5②3
①4②3
①2
①2④5
然るに、
(〇七)
例へば、
①。
と書く方が、

と書くよりも、「簡単」である。
従って、
(〇五)(〇六)(〇七)により、
(〇八)
①。
①2
①②③4
①5一レ②。
①4一レ②。
といふ「返り点」は、

①2
①②③4
①5
①4
と書くのが、「面倒」であるため、「レ点」で済ませてゐると、思はれる。
然るに、
(〇九)
①②4一レ3。
①5一レ②3
に関しては、
①②4
①5②3
としても、それほど、「手間」は変はらない上に、
二 一レ
二 一レ 二 一
といふ「返り点」は、そもそも、「分りにくい」。
(一〇)
①2
①2④5
に関しては、
①2
①2④5
の方が、「読みやすい」。
(一一)
次の場合、「丸」で囲まれてゐる「数字」に、「返り点」は付きません。
65432①。
6543①2。
65①②③4。
6①543②。
65①43②。
65①②43。
6①54②3。
5①4②3。
53①24。
73①26④5。
といふ「数字」に対して、
レ レ レ レ レ
レ レ レ 二 一
レ 二 一
二 一レ レ レ
レ 二 一レ レ
レ 二 一レ
二 一レ 二 一
三 二 一
下 二 一 上
下 二 一 中 上
といふ「返り点」を付けてみて下さい。
(一二)
654321。
654312。
651234。
615432。
651432。
651243。
615423。
51423。
53124。
7312645。
といふ「数字」に対して、「返り点」を付けてみて下さい。
平成二七年〇八月二八日、毛利太。

2015年6月17日水曜日

返り点、括弧、漢文、白話。

ブロガーJ17
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(〇一)
漢文非中華人民共和国語也。以是、 中国語直読法雖盛而中国語不可以読中夏之書審矣。 如日本之学生有欲能読白文者則宜以括弧学其管到。
(〇二)
漢文は中華人民共和国語に非ざるなり。是を以て、 中国語直読法は盛んなりと雖も、中国語は以て中華の書を読む可から不ること審かなり。 如し日本の学生に能く白文を読まんと欲する者有らば則ち、宜しく括弧を以て其の管到を学ぶべし。
(〇三)
(a)漢文の補足構造は、「括弧」で表すことが出来る。
(b)補足構造を除くと、漢文と訓読の「語順」は、等しい。
(c)漢文の補足構造を「集合数」で表した時、訓読の語順は、「順序数」である。
といふ「三つの条件」の下で、
例へば、
人有喜与不如己者為友之心=
人有己者上レ友之心
人有〈喜{与[不〔如(己)〕者]為(友)}之心〉=
1C〈9{6[4〔3(2)〕5]8(7)}AB〉⇒
1〈{[〔(2)3〕45]6(7)8}9AB〉C=
人〈{[〔(己)如〕不者]与(友)為}喜之心〉有=
人に〈{[〔(己に)如か〕不る者]と(友と)為るを}喜ぶの心〉有り=
人には、自分よりも劣った者と(気楽な)友達になるのを喜ぶ心がある(金沢大学入試問題)。
といふ「括弧による、ソート(漢文訓読)」が、成立する。
(〇四)
C=囗囗囗囗囗囗囗囗囗囗囗囗
B=囗囗囗囗囗囗囗囗囗囗囗
A=囗囗囗囗囗囗囗囗囗囗
9=囗囗囗囗囗囗囗囗囗
8=囗囗囗囗囗囗囗囗
7=囗囗囗囗囗囗囗
6=囗囗囗囗囗囗
5=囗囗囗囗囗
4=囗囗囗囗
3=囗囗囗
2=囗囗
1=囗
に於いて、
CはBを含み、
BはAを含み、
Aは9を含み、
9は8を含み、
8は7を含み、
7は6を含み、
6は5を含み、
5は4を含み、
4は3を含み、
3は2を含み、
2は1を含む。
といふ際の、十六進数、
C B A 9 8 7 6 5 4 3 2 1。
を、「集合数」とし、
1番目、2番目、3番目、4番目、5番目、6番目、7番目、8番目、9番目、A番目、B番目、C番目。
といふ際の、十六進数、
1 2 3 4 5 6 7 8 9 A B C。
を、「順序数」とする。
(〇五)
1C96432587AB。
人有喜与不如己者為友之心。
に於いて、
C といふ「集合数」は、「96432587AB」といふ「十個の集合数」を含むものの、是を以て、
1C(96432587AB)。
人有(喜与不如己者為友之心)。
といふ風に、「括弧」で括る。
(〇六)
1C(96432587AB)。
人有(喜与不如己者為友之心)。
に於いて、
9 といふ「集合数」は、「6432587」といふ「七個の集合数」を含むものの、是を以て、
1C〔9(6432587)AB〕。
人有〔喜(与不如己者為友)之心〕。
といふ風に、「括弧」で括る。
(〇七)
1C〔9(6432587)AB〕。
人有〔喜(与不如己者為友)之心〕。
に於いて、
6 といふ「集合数」は、「4325」といふ「四個の集合数」を含むものの、是を以て、
1C[9〔6(4325)87〕AB]。
人有[喜〔与(不如己者)為友〕之心]。
といふ風に、「括弧」で括る。
(〇八)
1C[9〔6(4325)87〕AB]。
人有[喜〔与(不如己者)為友〕之心]。
に於いて、
4 といふ「集合数」は、「32」といふ「二個の集合数」を含むものの、是を以て、
1C{9[6〔4(32)5〕87]AB}。
人有{喜〔与〔不(如己)者〕為友]之心}。
といふ風に、「括弧」で括る。
(〇九)
1C{9[6〔4(32)5〕87]AB}。
人有{喜[与〔不(如己)者〕為友]之心}。
に於いて、
3 といふ「集合数」は、「2」といふ「一個の集合数」を含むものの、是を以て、
1C〈9{6[4〔3(2)〕5]87}AB〉。
人有〈喜{与[不〔如(己)〕者]為友}之心〉。
といふ風に、「括弧」で括る。
(一〇)
1C〈9{6[4〔3(2)〕5]87}AB〉。
人有〈喜{与[不〔如(己)〕者]為友}之心〉。
に於いて、
8 といふ「集合数」は、「7」といふ「一個の集合数」を含むものの、是を以て、
1C〈9{6[4〔3(2)〕5]8(7)}AB〉。
人有〈喜{与[不〔如(己)〕者]為(友)}之心〉。
といふ風に、「括弧」で括る。
然るに、
(一一)
人有(惻隠之心)=人に(惻隠の心)有り。
に於いて、
有 は、惻隠之心 に、係ってゐる。
然るに、
(一二)
管到というのは「上の語が、下のことばのどこまでかかるか」ということである。なんことはない。諸君が古文や英語の時間でいつも練習している、あの「どこまでかかるか」である。漢文もことばである以上、これは当然でてくる問題である(二畳庵主人、漢文法基礎、1984年、389頁)。
従って、
(一一)(一二)により、
(一三)
人有〈喜{与[不〔如(己)〕者]為(友)}之心〉。
に於ける
〈{[〔( )〕]( )}〉
といふ「括弧」は、
人有喜与不如己者為友之心。
といふ「漢文」の、「管到」を表してゐる。
然るに、
(一四)
人有〈喜{与[不〔如(己)〕者]為(友)}之心〉。
1C〈9{6[4〔3(2)〕5]8(7)}AB〉。
に於いて、
1C)〕)}AB
を、「順序数」とすると、
人有〈喜{与[不〔如(己)〕者]為(友)}之心〉=
1C〈9{6[4〔3(2)〕5]8(7)}AB〉⇒
1〈{[〔(2)3〕45]6(7)8}9AB〉C=
人〈{[〔(己)如〕不者]与(友)為}喜之心〉有=
人に〈{[〔(己に)如か〕不る者]と(友と)為るを}喜ぶの心〉有り。
といふ「括弧による、ソート(漢文訓読)」が、成立する。
然るに、
(一五)
漢語における語順は、国語と大きく違っているところがある。その補足構造における語順は、国語とは全く反対である(鈴木直治著、中国語と漢文、1975年、296頁)。
従って、
(一三)(一四)(一五)により、
(一六)
人有喜与不如己者為友之心(漢文)。
人に己に如か不る者と友と為るを喜ぶの心有り(訓読)。
に於いて、「異なる」のは、「語順」であって、
人有〈喜{与[不〔如(己)〕者]為(友)}之心〉。
人に〈{[〔(己に)如か〕不る者]と(友と)為るを}喜ぶの心〉有り。
に於ける、
〈{[〔( )〕]( )}〉
〈{[〔( )〕]( )}〉
といふ「補足構造」は、完全に、「等しい」。
然るに、
(一七)
人有己者上レ友之心
人有之心
のやうに、
乙 下 二 レ レ 一 上レ 甲
といふ「返り点(レ点を含む)」は、
地 丙 下 三 二 一 上 乙 甲 天
といふ「返り点(レ点を含まない)」に、
「置き換へ」ることが、出来る。
然るに、
(一八)
地 丙 下 三 二 一 上 乙 甲 天
といふ「返り点」は、
十 八 五 三 二 一 四 七 六 九
といふ「一二点」に、
「置き換へ」ることが、出来る。
然るに、
(一九)
十 八 五 三 二 一 四 七 六 九
に対して、
〈{[〔( )〕]( )}〉
を用ゐると、当然、
十 八 五 三 二 一 四 七 六 九=
十〈八{五[三〔二(一)〕四]七(六)}九〉⇒
〈{[〔(一)二〕三四]五(六)七}八九〉十=
一 二 三 四 五 六 七 八 九 十。
といふ「ソート(並び替へ)」が、可能となる。
然るに、
(二〇)
十 八 五  二 一 四 七  九
といふ「順番」を、例へば、
十 八 五  二  一 四 七 九
に変へた上で、「括弧」を、用ゐると、
十《八〈五[六{二(三〔一)〕四]}七〉九》⇒
《〈[{(〔一)二〕三四]五}六七〉八九》十。
といふ「形」に、ならざるを得ない。
然るに、
(二一)
五[六{二(三〔一)〕四]}
のやうな「括弧」、すなはち、
{[〔( )〕]}
ではなく、
[{(〔 )〕]}
のやうな「それ」は、「括弧」とは、言へない。
従って、
(一九)(二一)により、
(二二)
十 八 五  二 一 四 七  九
とは「逆」に、
十 八 五  二  一 四 七 九
のような「順番」を、「括弧」を用ゐて、「並び替へ」ることは、出来ない。
従って、
(一七)(一八)(二二)により、
(二三)
人有喜与如己者為之心。
に対して、
人有喜与己者為之心。
のような「語順」を、「括弧」を用ゐて、
人に己に如かる者とと為るを喜ぶの心有り。
といふ「訓読の語順」に、「並び替へ」ことは、出来ない。
然るに、
(二四)
二 五 三 一 四=
二(五[三〔一)〕四]⇒
([〔一)二〕三四]五=
一 二 三 四 五。
に於いて、
([〔 )〕]
は、「括弧」ではない。
然るに、
(二五)
白話文を訓読するとどうなるのか。玉里本の中から、白話特有の構造を持つ文の訓読例を見てみよう。
端‐的看這婆‐子的本‐事
端的に這の婆子の本事を看出し来たらず。
(勉誠出版、続「訓読」論、2010年、三三〇頁改)
従って、
(二四)(二五)により、
(二六)
端‐的看這婆‐子的本‐事
といふ「白話文の語順」を、「括弧」を用ゐて、
端‐的に這の婆‐子の本‐事を看し来たら不
といふ「日本語の語順」に、「並び替へ」ことは、出来ない。
加へて、
(二七)
二 五 三 一 四=
二 下 上 一 中
であるものの、
二 下 上 一 中
のやうな「返り点」は、「漢文訓読」に於いては、絶対に、有り得ない。
然るに、
(一六)により、
(二八)
もう一度、確認すると、
人有喜与不如己者為友之心(漢文)。
人に己に如か不る者と友と為るを喜ぶの心有り(訓読)。
に於いて、「異なる」のは、「語順」であって、
〈{[〔( )〕]( )}〉
〈{[〔( )〕]( )}〉
といふ「補足構造」は、完全に、「等しい」。
従って、
(二四)~(二八)により、
(二九)
人有喜与不如己者為友之心(漢文)。
人に己に如か不る者と友と為るを喜ぶの心有り(訓読)。
の場合は、「補足構造」は「等しい」ものの、
端的看不出這婆子的本事来(白話文)。
端的に這の婆子の本事を看出し来たらず(日本語?)。
の場合は、「補足構造」自体が、「異なる」ことになる。
然るに、
(三〇)
① 漢文の補足構造
② 訓読の補足構造
③ 中国語の補足構造
に於いて、
①と②は、等しい。
②と③は、等しくない。
といふことは、
①と③は、等しくない。
といふことに、他ならない。
従って、
(三〇)により、
(三一)
「補足構造」が、異なる以上、
① 漢文(文言)
③ 中国語(中華人民共和国の、国語)
にあって、
① は、「中国語」ではない。
平成二七年〇六月一七日、毛利太。

2015年5月18日月曜日

「括弧」のアルゴリズムと「返り点」。

括弧のアルゴリズムと返り点。
このブログは、PC上では「縦書き」で表示され、マウスポインタが、「縦書きの部分」にある時に、マウスのホイールを回すと、左右にスクロールし、「横書きの部分」では、上下にスクロールします。下に見えてゐる、スクロールノブでスクロールする場合は、左右にだけスクロールします。
(〇一)
1。
に於いて、
2の下側にあって、
2よりも小さい数字を( )で括ると、
(1)。
(〇二)
11。
に於いて、
2の下側にあって、
2よりも小さい数字を( )で括ると、
(11)。
(〇三)
21。
に於いて、
3の下側にあって、
3よりも小さい数字を( )で括ると、
(21)。
(〇四)
③ 3(1)。
に於いて、
2の下側にあって、
2よりも小さい数字を( )で括ると、
③ 3(2(1))。
(〇五)
④ 2‐21。
に於いて、
④ 2‐2=2
といふ風に、定義する。
従って、
(〇五)により、
(〇六)
2‐21。
に於いて、
2=2‐2
の下側にあって、
2よりも小さい数字を( )で括ると、
2‐2(1)。
従って、
(〇一)~(〇六)により、
(〇七)
Nの下側にあって、
Nよりも小さい数字を( )で括る。
といふことを、繰り返すことにより、
① 2(1)。
② 2(11)。
③ 3(2(1))。
④ 2‐2(1)
を、得ることが、出来るものの、これら「括弧」は、
① 21。
② 211
③ 31。
④ 221
といふ「返り点」に等しい。とする。
従って、
(〇七)により、
(〇八)
① 読(書)。
② 読(漢文)。
③ 不(読(書))。
④ 訓‐読(書)。
といふ「括弧」は、
① 読書。
② 読漢文
③ 不書。
④ 訓読書
といふ「返り点」に等しい。
注:④の「ハイフンはなくてもかまわない(二畳案主人、
漢文法基礎、昭和五九年、三一頁)。」
従って、
(〇八)により、
(〇九)
① 読(書)。
② 読(漢文)。
③ 不(読(書))。
④ 訓‐読(書)。
といふ「括弧」は、
①(書を)読む。
②(漢文を)読む。
③((書を)読ま)ず。
④(書を)訓‐読す。
といふ風に、「訓読」される。
(一〇)
8243365579。
に於いて、
1の下側にあって、
1よりも小さい数字は無い。
(一一)
⑤ 1243365579。
に於いて、
8の下側にあって、
8よりも小さい数字を( )で括ると、
⑤ 1(24336557)9。
(一二)
⑤ 18(4336557)9。
に於いて、
2の下側にあって、
2よりも小さい数字は無い。
(一三)
⑤ 18(2336557)9。
に於いて、
4の下側にあって、
4よりも小さい数字を( )で括ると、
⑤ 18(2(33)6557)9。
(一四)
⑤ 18(24(33)557)9。
に於いて、
6の下側にあって、
6よりも小さい数字を( )で括ると、
⑤ 18(24(33)(55)7)9。
(一五)
⑤ 18(24(33)6(55))9。
に於いて、
7の下側にあって、
7よりも小さい数字は無く、
9の下に数字は無い。
従って、
(一〇)~(一五)により、
(一六)
⑤ 18243365579。
に対して、
Nの下側にあって、
Nよりも小さい数字を( )で括る。
といふことを、繰り返すことにより、
⑤ 18(24(33)6(55)7)9。
といふ「括弧」を、得ることが、出来るものの、
この場合、
⑤ 18(24(33)6(55)7)9。
⑤ 17(24(33)6(55))。
⑤ 17(24(33)6(5))。
⑤ 17(24(3)6(5))。
といふ「括弧」は、
⑤ 182433559。
⑤ 17243355
⑤ 172433上レ5。
⑤ 172436一レ5。
といふ「返り点」に、等しい。
従って、
(一六)により、
(一七)
⑤ 我非常読漢文漢字也=
⑤ 我非(常読(漢文)学(漢字)者)也=
⑤ 18(24(33)6(55)7)9⇒
⑤ 1(2(33)4(55)67)89=
⑤ 我(常(漢文)読(漢字)学者)非也=
⑤ 我は常には漢文を読み漢字を学ぶ者に非ざるなり。
(一八)
31。
に於いて、
2の下側にあって、
2よりも小さい数字を( )で括ると、
⑥ 23(1)。
(一九)
⑥ 2(1)。
に於いて、
3の下側にあって、
3よりも小さい数字を( )で括ると、
⑥ 23(1)。
従って、
(一九)により、
(二〇)
⑥ 231。
に対して、
Nの下側にあって、
Nよりも小さい数字を( )で括る。
といふことを、繰り返すと、
⑥ 23(1)。
を、得ることになるものの、
⑥ 231。
に付く「返り点」は、
⑥ 2
である。
然るに、
(二一)
⑥ 文読漢=
⑥ 文
⑥ 漢を読三。む。
などといふ「漢文」も、「返り点」も、有り得ない。
加へて、
(〇七)(〇八)(〇九)により、
(二二)
② 読(漢文)=
② 2(11)⇒
② (11)2=
② (漢文)読=
② (漢文を)読む。
であるため、
⑥ 文読(漢)=
⑥ 23(1)⇒
⑥ 2(1)3=
⑥ 文(漢)読≠
⑥ 漢文を読む。
といふ「括弧」も、有り得ない。
従って、
(二〇)(二一)(二二)により、
(二三)
⑥ 2
といふ「返り点」と、
⑥ 23(1)。
といふ「括弧」は、有り得ない。
(二四)
⑦ 2413。
に対して、
Nの下側にあって、
Nよりも小さい数字を( )で括る。
といふことを、繰り返すと、
⑦ 2413 ⇒
⑦ 24(1)3 ⇒
⑦ 24((1)3)。
となるものの、
⑦ 2413。
に付く「返り点」は、
⑦ 2
である。
然るに、
(二五)
⑦ 文読漢訓=
⑦ 文=漢を訓す。
といふ「返り点」と、
⑦ 文読((漢)訓)=
⑦ 24((1)3)⇒
⑦ 2((1)3)4=
⑦ 文((漢)訓)読≠
⑦ 漢文を訓読す。
といふ「括弧」も、有り得ない。
従って、
(二三)(二五)により、
(二六)
⑥ WHAT IS THIS
⑦ WHAT ARE YOU DOING
に於ける、
⑥ 2 3 1。
⑦ 2 4 1 3。
のやうに、
2と、
1の間に、
2より大きな数字が
有る場合は、「返り点」と「括弧」を、付けけることが、出来ない。
(二七)
⑧ ABC4。
に於いて、
Aの下側にあって、
Aよりも小さい数字を( )で括った「結果」が、
⑧ A(BC)4。
であるとする。
(二八)
⑧ A(BC)4。
に於いて、
Bの下側にあって、
Cよりも小さい数字を( )で括った「結果」が、
⑧ A(B(C))4。
であるする。
従って、
(二七)(二八)により、
(二九)
⑧ A(B(C))4=
⑧ 3(2(1))4=
⑧ 三(二(一))四。
でなければ、ならない。
従って、
(二九)により、
(三〇)
⑧ 不読書也。
に於いて、
⑧ 不(読(書))也。
といふ「括弧」が、成立するのであれば、
⑧ 不(読(書))也=
⑧ 三(二(一))四。
でなければ、ならない。
従って、
(三〇)により、
(三一)
⑧ 三(二(一))四。
が、「一二点」であるならば、
⑧ 不也=
⑧ 不ii書也。
でなければ、ならない。
従って、
(三〇)(三一)により、
(三二)
⑧ 不読書也=
⑧ 不ii書也=
⑧ 不(読(書))也 ⇒
⑧ ((書)読)不也 =
⑧ ((書を)読ま)不るなり。
でなければ、ならない。
平成二七年〇五月一八・一九日、毛利太。

2015年3月25日水曜日

「返り点」と「括弧」(2.5)。

ブロガー15
このブログは、PC上では「縦書き」で表示され、マウスポインタが、「縦書きの部分」にある時に、マウスのホイールを回すと、左右にスクロールし、「横書きの部分」では、上下にスクロールします。下に見えてゐる、スクロールノブでスクロールする場合は、左右にだけスクロールします。
(〇一)
① 欲一レ字。
② 欲漢文上レ
③ 欲漢字
④ 欲漢文漢字
⑤ 有
⑥ 有漢文
⑦ 有漢字
⑧ 有漢文漢字
に対する「書き下し文」は、
文を読み字を学ばんと欲す。
② 漢文を読み字を学ばんと欲す。
文を読み漢字を学ばんと欲す。
④ 漢文を読み漢字を学ばんと欲す。
文を読み字を学ぶ者有り。
⑥ 漢文を読み字を学ぶ者有り。
文を読み漢字を学ぶ者有り。
⑧ 漢文を読み漢字を学ぶ者有り。
であって、これらは、全て、
1 連続した二字を転倒させる場合は、必ずレ点を用い、他の返り点を用いてはならない。
2 連続した二字の上下を転倒させる以外の場合に、レ点を用いてはならない。
(古田島洋介、これならわかる返り点、2009年、五七・五八頁)
といふ「ルール」を、満たしてゐる。
然るに、
(〇二)
1 連続した二字を転倒させる場合は、必ずレ点を用い、他の返り点を用いてはならない。
といふ「ルール」が無ければ、
① 欲
② 欲漢文
③ 欲漢字
④ 欲漢文漢字
⑤ 有
⑥ 有漢文
⑦ 有漢字
⑧ 有漢文漢字
といふ「返り点」は、「正しい」。
然るに、
(〇三)
⑤ 有
⑥ 有漢文
⑦ 有漢字
⑧ 有漢文漢字
に対する、
⑤ 有
⑥ 有漢文
⑦ 有漢字
⑧ 有漢文漢字
に於いて、

漢文
字字
漢文漢字
といふ「返り点」は、

漢文
漢字
漢文漢字
といふ「返り点」に等しい。
従って、
(〇三)により、
(〇四)
⑤ 有
⑥ 有漢文
⑦ 有漢字
⑧ 有漢文漢字
といふ「返り点」は、
⑤ 有〔読(文)学(字)者〕。
⑥ 有〔読(漢文)学(字)者〕。
⑦ 有〔読(文)学(漢字)者〕。
⑧ 有〔読(漢文)学(漢字)者〕。
といふ「括弧」に等しい。
(〇五)
① 欲
② 欲漢文
③ 欲漢字
④ 欲漢文漢字
に関しては、
① 下
② 下漢一
③ 下漢上
④ 下漢一漢上
といふ風に、「書き換へ」る。
然るに、
(〇六)
① 下)(上=
① 下〔二(一)(中)上〕。
に於いて、
下〔〕を、
〔 〕下 に変へ、
二(一)を、
(一)二 に変へ、
中(上)を、
(上)中 に変へると、
① 下〔二(一)中(上)〕=
①〔(一)二(上)中〕 下=
〔( 下。
従って、
(〇五)(〇六)により、
(〇七)
① 欲
① 文を読み字を学ばんと欲す。
といふ「返り点」は、
① 欲〔読(文)学(字)〕=
① 〔(文を)読み(字を)学ばんと〕欲す。
といふ「括弧」に、相当する。
従って、
(〇七)により、
(〇八)
④ 欲漢文漢字
④ 漢文を読み漢字を学ばんと欲す。
といふ「返り点」は、
④ 欲〔読(漢文)学(漢字)〕=
④ 〔(漢文を)読み(漢字を)学ばんと〕欲す。
といふ「括弧」に、相当する。
従って、
(〇五)~(〇八)により、
(〇九)
① 欲
② 欲漢文
③ 欲漢字
④ 欲漢文漢字
といふ「返り点」は、
① 欲〔読(文)学(字)〕。
② 欲〔読(漢文)学(字)〕。
③ 欲〔読(文)学(漢字)〕。
④ 欲〔読(漢文)学(漢字)〕。
といふ「括弧」に等しい。
従って、
(〇四)(〇九)により、
(一〇)
① 欲
② 欲漢文
③ 欲漢字
④ 欲漢文漢字
⑤ 有
⑥ 有漢文
⑦ 有漢字
⑧ 有漢文漢字
といふ「(レ点の無い)返り点」は、
① 欲〔読(文)学(字)〕。
② 欲〔読(漢文)学(字)〕。
③ 欲〔読(文)学(漢字)〕。
④ 欲〔読(漢文)学(漢字)〕。
⑤ 有〔読(文)学(字)者〕。
⑥ 有〔読(漢文)学(字)者〕。
⑦ 有〔読(文)学(漢字)者〕。
⑧ 有〔読(漢文)学(漢字)者〕。
といふ「括弧」に、等しい。
従って、
(〇一)(〇二)(一〇)により、
(一一)
① 欲一レ字。
② 欲漢文上レ
③ 欲漢字
④ 欲漢文漢字
⑤ 有
⑥ 有漢文
⑦ 有漢字
⑧ 有漢文漢字
といふ「(レ点が有る)現行の返り点」は、
① 欲〔読(文)学(字)〕。
② 欲〔読(漢文)学(字)〕。
③ 欲〔読(文)学(漢字)〕。
④ 欲〔読(漢文)学(漢字)〕。
⑤ 有〔読(文)学(字)者〕。
⑥ 有〔読(漢文)学(字)者〕。
⑦ 有〔読(文)学(漢字)者〕。
⑧ 有〔読(漢文)学(漢字)者〕。
といふ「括弧」に、等しい。
然るに、
(一二)
丸括弧の導入により、一二点・上下点などの各種の返り点は不要となり、レ点のみで用が足りる(松本巌、漢文訓読の返り点に括弧を導入して構造化する試み(Adobe PDF) - htmlで見 る)。
従って、
(一一)(一二)により、
(一三)
⑧ 有漢文漢字
⑧ 有〔読(漢文)学(漢字)者〕=
⑧ 有(読(漢文)学(漢字)者)。
といふ「返り点・括弧」は、
⑧ 有(読(漢文)学(漢字)者)。
に等しい。
然るに、
(一四)
⑧ 有〔読(漢文)学(漢字)者〕=
⑧ 有(読(漢文)学(漢字)者)=
⑧ 有(読(漢文)学(漢字)者)。
である以上、
⑧ 有(読(漢文)学(漢字)者)。
に於いて、
(読(漢文)学
は「不要」である。
然るに、
(一五)
⑧ 有漢文漢字
⑧ 有漢文漢字
に於ける、
漢文
は、不要である。
従って、
(一三)(一四)(一五)により、
(一六)
⑧ 有漢文漢字
⑧ 有(読(漢文)学(漢字)者)。
に於いて、
漢文
(読(漢文)学
は「不要」である。
(一七)
⑨ 使(籍誠不(以(畜(妻子)憂(飢寒))乱心)有(財銭)以済(医薬))。
に於いて、
⑨ 乱(心)
ではなく、
⑨ 乱
である。
然るに、
(一八)
丸括弧内の文字列は、丸括弧外の文字列との関係において一文字として扱う(松本巌、漢文訓読の返り点に括弧を導入して構造化する試み(Adobe PDF) - htmlで見る)。
従って、
(一七)(一八)により、
(一九)
⑨ 乱心。
といふ「レ点」は、
⑩ 乱(心)
といふ「レ点と丸括弧」に等しい。
従って、
(一七)(一九)により、
(二〇)
⑨ 使(籍誠不(以(畜(妻子)憂(飢寒))乱心)有(財銭)以済(医薬))。
といふ「レ点と丸括弧」は、
⑩ 使(籍誠不(以(畜(妻子)憂(飢寒))乱(心))有(財銭)以済(医薬))。
といふ「レ点と丸括弧」に等しい。
然るに、
(二一)
⑩ 使(籍誠不(以(畜(妻子)憂(飢寒))乱(心))有(財銭)以済(医薬))。
から、
使(籍誠不(以(畜(妻子)憂(飢寒))乱(心))有(財銭)以済(医薬))。
を除くと、
⑩ 使(籍誠不(以(畜(妻子)憂(飢寒))乱(心))有(財銭)以済(医薬))。
(二二)
⑩ 使(籍誠不(以(畜(妻子)憂(飢寒))乱(心))有(財銭)以済(医薬))。
では、「読みにくい」ため、
( )
〔 〕
[ ]
{ }
を用ゐて、
⑩ 使{籍誠不[以〔畜(妻子)憂(飢寒)〕乱(心)]有(財銭)以済(医薬)}。
とする。
然るに、
(二三)
「漢字」
「漢字「返り点」
「漢字「返り点」を「逆」にすると、
⑩ 使籍誠不妻子飢寒財銭以済医薬
⑩ 人使籍誠丙妻一飢一財一以地医天
然るに、
(二四)
⑩ 人{丙[下〔二(一)二(一)上〕乙(甲)]二(一)地(天)}⇒
⑩ {[〔(一)二(一)二上〕下(甲)乙]丙(一)二(天)地}人。
従って、
(二一)(二二)(二三)により、
(二五)
⑩ 使{籍誠不[以〔畜(妻子)憂(飢寒)〕乱(心)]有(財銭)以済(医薬)}=
⑩ {籍をして誠に[〔(妻子を)畜ひ(飢寒を)憂ふるを〕以て(心を)乱さ]不(財銭)有りて以て(医薬を)済さ}使む。
といふ「括弧」は、
⑩ 使籍誠不妻子飢寒財銭以済医薬
⑩ 籍をして誠に妻子を畜ひ飢寒ふるをて心を乱さ不財銭りて以て医薬を済使む。
といふ「返り点」に、等しい。
従って、
(一七)~(二五)により、
(二六)
⑨ 使(籍誠不(以(畜(妻子)憂(飢寒))乱心)有(財銭)以済(医薬))。
といふ「レ点と丸括弧」は、
⑩ 使(籍誠不(以(畜(妻子)憂(飢寒))乱(心))有(財銭)以済(医薬))=
⑩ 使{籍誠不[以〔畜(妻子)憂(飢寒)〕乱(心)]有(財銭)以済(医薬)}。
といふ「括弧」に、等しい。
従って、
(二六)により、
(二七)
⑨ 使(籍誠不(以(畜(妻子)憂(飢寒))乱心)有(財銭)以済(医薬))。
に於ける、
使(籍誠不(以(畜(妻子)憂(飢寒))乱心)有(財銭)以済(医薬))。
は、不要である。
(二八)
⑪ 読漢文
⑪ 漢文を 読む。
に於いて、
二 一=( )
とすれば、
⑪ 読漢文
⑪ 読漢文
⑪ 読(漢文)。
といふ「等式」が、成立する。
(二九)
⑫ 読文=
⑫ 読
⑫ 文を 読む。
に於いて、
二 =二 一
二 一=( )
とすれば、
⑫ 読文=
⑫ 読
⑫ 読
⑫ 読(文)。
といふ「等式」が、成立する。
従って、
(二八)(二九)により、
(三〇)
⑫ 読文。
⑬ 読(漢文)。
といふ「レ点と丸括弧」は、
⑫ 読(文)。
⑪ 読(漢文)。
といふ「括弧」に、等しい。
従って、
(一二)~(三〇)により、
(三一)
丸括弧の導入により、一二点・上下点などの各種の返り点は不要となり、レ点のみで用が足りる。と同時に、レ点自体が、不要となる。
(三二)
⑬ 不〔読(文)〕。
⑭ 不〔読(漢文)〕。
であれば、
⑬〔( )〕
⑭〔( )〕
は、「等しい」。
従って、
(三二)により、
(三三)
⑬〔( )〕
⑭〔( )〕
が「構造(structure)」であるならば、
⑬ 不読文=文を読まず。
⑭ 不読漢文=漢文を読まず。
に於ける「構造(structure)」は「等しい」。
然るに、
(三四)
⑬ 不文。
⑭ 不(漢文)。
に於いて、

漢文
は、「等しく」はない。
従って、
(三四)により、
(三五)

漢文
といふ「二通り」が、「構造(structure)」であるならば、
⑬ 不読文=文を読まず。
⑭ 不読漢文=漢文を読まず。
に於ける「構造(structure)」は「等しく」ない。
従って、
(三五)により、
(三六)
⑬ 不読文=文を読まず。
⑭ 不読漢文=漢文を読まず。
に於ける「構造(structure)」が「等しい」のであれば、

漢文
は、「構造(structure)」ではない。
平成二七年〇三月二五日、毛利太。

2015年3月22日日曜日

「返り点」と「括弧」(1.5)。

ブロガー13.5
このブログは、PC上では「縦書き」で表示され、マウスポインタが、「縦書きの部分」にある時に、マウスのホイールを回すと、左右にスクロールし、「横書きの部分」では、上下にスクロールします。下に見えてゐる、スクロールノブでスクロールする場合は、左右にだけスクロールします。
(〇一)
 以前はレ点の原則がゆるやかでした。特に付帯事項2は意識されないことも多く、たとえば「登竜門」を「竜門に登る」と訓読する場合、次のような返り点を打つこともあったのです。
白白白白白白白si りゅうもんsのぼ
【誤】登竜‐門=竜門に登る。
「竜門」の二字をハ イ フ ン
「竜門」の二字を連続符号でつなぎ、レ点で「登」に返していますが。これは現行の返り点では認められません。
(古田島洋介、これならわかる返り点、2009年、五八頁)
従って、
(〇一)により、
(〇二)
【正】登竜‐門=竜門に登る。
といふ「返り点」を認める限り、
① 欲文学一レ字。
② 欲漢‐文学一レ字。
③ 欲文学一レ漢‐字。
④ 欲漢‐文学一レ漢‐字。
⑤ 有文学字者
⑥ 有漢‐文学字者
⑦ 有文学漢‐字者
⑧ 有漢‐文学漢‐字者
といふ「返り点」は、
文を読み字を学ばんと欲す。
② 漢文を読み字を学ばんと欲す。
文を読み漢字を学ばんと欲す。
④ 漢文を読み漢字を学ばんと欲す。
文を読み字を学ぶ者有り。
⑥ 漢文を読み字を学ぶ者有り。
文を読み漢字を学ぶ者有り。
⑧ 漢文を読み漢字を学ぶ者有り。
といふ風に、「訓読」出来る。
(〇三)
1 連続した二字を転倒させる場合は、必ずレ点を用い、他の返り点を用いてはならない。
といふ「ルール」が無ければ、
① 欲
② 欲漢文
③ 欲漢字
④ 欲漢文漢字
⑤ 有
⑥ 有漢文
⑦ 有漢字
⑧ 有漢文漢字
といふ「返り点」は、
文を読み字を学ばんと欲す。
② 漢文を読み字を学ばんと欲す。
文を読み漢字を学ばんと欲す。
④ 漢文を読み漢字を学ばんと欲す。
文を読み字を学ぶ者有り。
⑥ 漢文を読み字を学ぶ者有り。
文を読み漢字を学ぶ者有り。
⑧ 漢文を読み漢字を学ぶ者有り。
といふ風に、「訓読」出来る。
然るに、
(〇四)
レ点 連続した二字の上下を転倒させる。
 付帯事項
1 連続した二字を転倒させる場合は、必ずレ点を用い、他の返り点を用いてはならない。
2 連続した二字の上下を転倒させる以外の場合に、レ点を用いてはならない。
(古田島洋介、これならわかる返り点、2009年、五七・五八頁)
従って、
(〇四)により、
(〇五)
「(学校で習ふ)現行の返り点」としては、
① 欲一レ字。
② 欲漢文上レ
③ 欲漢字
④ 欲漢文漢字
⑤ 有
⑥ 有漢文
⑦ 有漢字
⑧ 有漢文漢字
だけが、「正しい」。
従って、
(〇一)~(〇五)により、
(〇六)
2 連続した二字の上下を転倒させる以外の場合に、レ点を用いてはならない。
が故に、
② 二 レ ‐ 一レ 。
③ 二 レ 一レ ‐ 。
④ 二 レ ‐ 一レ ‐ 。
⑥ 二 レ ‐ レ 一。
⑦ 二 レ レ ‐ 一。
⑧ 二 レ ‐ レ ‐ 一。
といふ「返り点」は、「マチガイ」であって、
1 連続した二字を転倒させる場合は、必ずレ点を用い、他の返り点を用いてはならない。
が故に、
② 下 二 一 中 上。
③ 下 二 一 中 上。
④ 下 二 一 中 上。
⑥ 下 二 一 二 一 上。
⑦ 下 二 一 二 一 上。
⑧ 下 二 一 二 一 上。
といふ「返り点」は、「マチガイ」であって、
1 連続した二字を転倒させる場合は、必ずレ点を用い、他の返り点を用いてはならない。
2 連続した二字の上下を転倒させる以外の場合に、レ点を用いてはならない。
が故に、
① 二 レ 一レ 。
② 下 二 一 上レ 。
③ 三 レ 二 一。
④ 下 二 一 中 上。
⑤ 二 レ レ 一。
⑥ 下 二 一 レ 上。
⑦ 下 レ 二 一 上。
⑧ 下 二 一 二 一 上。
といふ「返り点」は、「正しい」。
従って、
(〇六)により、
(〇七)
1 連続した二字を転倒させる場合は、必ずレ点を用い、他の返り点を用いてはならない。
2 連続した二字の上下を転倒させる以外の場合に、レ点を用いてはならない。
といふ「ルール」が、無ければ、
① 二 レ 一レ 。
② 二 レ ‐ 一レ 。
③ 二 レ 一レ ‐ 。
④ 二 レ ‐ 一レ ‐ 。
⑤ 二 レ レ 一。
⑥ 二 レ ‐ レ 一。
⑦ 二 レ レ ‐ 一。
⑧ 二 レ ‐ レ ‐ 一。
① 下 二 一 中 上。
② 下 二 一 中 上。
③ 下 二 一 中 上。
④ 下 二 一 中 上。
⑥ 下 二 一 二 一 上。
⑦ 下 二 一 二 一 上。
⑧ 下 二 一 二 一 上。
① 二 レ 一レ 。
② 下 二 一 上レ 。
③ 三 レ 二 一。
④ 下 二 一 中 上。
⑤ 二 レ レ 一。
⑥ 下 二 一 レ 上。
⑦ 下 レ 二 一 上。
⑧ 下 二 一 二 一 上。
といふ「二四通りの、返り点」は、「正しい」。
然るに、
(〇八)
⑤ 有
⑥ 有漢文
⑦ 有漢字
⑧ 有漢文漢字
といふ「括弧」は、
⑤ 有
⑥ 有漢文
⑦ 有漢字
⑧ 有漢文漢字
といふ「返り点」に、相当する。
然るに、
(〇九)
① 欲
① 下
とすることが、出来る。
従って、
(一〇)
① 下
① 欲
① 文を読み字を学ばんと欲す。
然るに、
(一一)
① 下)(上=
① 下〔二(一)(中)上〕。
に於いて、
下〔 〕を、
〔 〕下 に変へ、
二(一)を、
(一)二 に変へ、
中(上)を、
(上)中 に変へると、
① 下〔二(一)中(上)〕=
①〔(一)二(上)中〕 下=
〔( 下。
従って、
(一〇)(一一)により、
(一二)
① 欲
① 文を読み字を学ばんと欲す。
といふ「返り点」は、
① 欲〔読(文)学(字)〕=
① 〔(文を)読み(字を)学ばんと〕欲す。
といふ「括弧」に、相当する。
従って、
(一二)により、
(一三)
① 欲
② 欲漢文
③ 欲漢字
④ 欲漢文漢字
といふ「返り点」は、
① 欲〔読(文)学(字)〕=
① 〔(文を)読み(字を)学ばんと〕欲す。
② 欲〔読(漢文)学(字)〕=
② 〔(漢文を)読み(字を)学ばんと〕欲す。
③ 欲〔読(文)学(漢字)〕=
③ 〔(文を)読み(漢字を)学ばんと〕欲す。
④ 欲〔読(漢文)学(漢字)〕=
④ 〔(漢文を)読み(漢字を)学ばんと〕欲す。
といふ「括弧」に、相当する。
従って、
(〇八)(一三)により、
(一四)
① 欲
② 欲漢文
③ 欲漢字
④ 欲漢文漢字
⑤ 有
⑥ 有漢文
⑦ 有漢字
⑧ 有漢文漢字
といふ「返り点」は、
① 欲〔読(文)学(字)〕。
② 欲〔読(漢文)学(字)〕。
③ 欲〔読(文)学(漢字)〕。
④ 欲〔読(漢文)学(漢字)〕。
⑤ 有〔読(文)学(字)者〕。
⑥ 有〔読(漢文)学(字)者〕。
⑦ 有〔読(文)学(漢字)者〕。
⑧ 有〔読(漢文)学(漢字)者〕。
といふ「括弧」に、「置き換へ」ることが、出来る。
従って、
(〇五)(一四)により、
(一五)
① 欲一レ字。
② 欲漢文上レ
③ 欲漢字
④ 欲漢文漢字
⑤ 有
⑥ 有漢文
⑦ 有漢字
⑧ 有漢文漢字
といふ「(学校で習ふ)返り点」が表す「語順」は、
① 欲〔読(文)学(字)〕。
② 欲〔読(漢文)学(字)〕。
③ 欲〔読(文)学(漢字)〕。
④ 欲〔読(漢文)学(漢字)〕。
⑤ 有〔読(文)学(字)者〕。
⑥ 有〔読(漢文)学(字)者〕。
⑦ 有〔読(文)学(漢字)者〕。
⑧ 有〔読(漢文)学(漢字)者〕。
といふ「括弧」が表す「語順」に、等しい。
従って、
(一五)により、
(一六)
①〔( )( )〕。
といふ「括弧」は、
① 二 レ 一レ 。
② 下 二 一 上レ 。
③ 三 レ 二 一。
④ 下 二 一 中 上。
⑤ 二 レ レ 一。
⑥ 下 二 一 レ 上。
⑦ 下 レ 二 一 上。
⑧ 下 二 一 二 一 上。
といふ「現行の返り点」に、「対応」する。
然るに、
(一七)
⑧ 読漢‐文=
⑧ 読(漢文)。
とすることが、出来る。
従って、
(一七)により、
(一八)
⑧ 有漢‐文学漢‐字者
といふ「返り点」は、
⑧ 有(漢文)学(漢字)者
とすることが、出来る。
然るに、
(一九)
丸括弧の導入により、一二点・上下点などの各種の返り点は不要となり、レ点のみで用が足りる(松本巌、漢文訓読の返り点に括弧を導入して構造化する試み(Adobe PDF) - htmlで見る)。
従って、
(一九)により、
(二〇)
⑧ 有(漢文)学(漢字)者
は、更に、
⑧ 有(読(漢文)学(漢字)者)。
とすることが、出来る。
然るに、
(二一)
⑧ 有(読(漢文)学(漢字)者)。
といふ「レ点と括弧」は、
⑧ 有レ下レ二漢文レ二漢字
といふ風に、見なすことが、出来る。
然るに、
(二二)
⑧ 読漢文=漢文を読む。
⑧ 読漢文=漢文を読む。
⑧ 読漢文=漢文を読む。
であるため、
⑧ 有漢文漢字
に於ける、
漢文
は、不要である。
従って、
(二一)(二二)により、
(二三)
⑧ 有(読(漢文)学(漢字)者)。
に於ける、
(読(漢文)学
も、不要である。
平成二七年〇三月二二・三日、毛利太。

2015年3月20日金曜日

「返り点」と「括弧」(1.0)。

ブロガー14
このブログは、PC上では「縦書き」で表示され、マウスポインタが、「縦書きの部分」にある時に、マウスのホイールを回すと、左右にスクロールし、「横書きの部分」では、上下にスクロールします。下に見えてゐる、スクロールノブでスクロールする場合は、左右にだけスクロールします。
(〇一)
① 有漢文漢字
① 漢文を読み漢字を学ぶ者り。
(〇二)
① 有漢文漢字
① 有漢文漢字
(〇三)
① 有漢文漢字
① 有〔読(漢文)学(漢字)者〕。
従って、
(〇一)(〇二)(〇三)により、
(〇四)
① 下 二 一 二 一 上。
といふ「返り点」は、
① 〔 ( ) ( ) 〕。
といふ「括弧」に、「置き換へ」ることが出来る。
(〇五)
② 欲 は、
② 下 に等しい。とする。
従って、
(〇五)により、
(〇六)
② 欲漢文漢字
② 下漢一漢上
然るに、
(〇七)
② 下)(上=
② 下〔二(一)(中)上〕。
に於いて、
下〔 〕を、
〔 〕下 に変へ、
二( )を、
( )二 に変へ、
中( )を、
( )中 に変へると、
② 下〔二(一)中(上)〕=
②〔(一)二(上)中〕 下=
〔( 下。
然るに、
(〇八)
② 欲漢文漢字
② 漢文を読み漢字を学ばんと欲す。
従って、
(〇六)(〇七)(〇八)により、
(〇九)
② 下 二 一 中 上。
といふ「返り点」は、
② 〔 ( ) ( )〕
といふ「括弧」で、「置き換へ」ることが出来る。
従って、
(〇四)(〇九)により、
(一〇)
① 下 二 一 二 一 上
② 下 二 一 中 上。
といふ「返り点」は、
① 〔 ( ) ( ) 〕
② 〔 ( ) ( )〕
といふ「括弧」で、「置き換へ」ることが出来る。
然るに、
(一一)
③ 有〔読(書)学(字)者〕=
③ 〔(書を)読み(字を)学ぶ者〕有り。
の「返り点」は、
③ 有書学字者=書を読み字を学ぶ者有り。
である。
(一二)
④ 欲〔読(書)学(字)〕=
④ 〔(書を)読み(字を)学ばんと〕欲す。
の「返り点」は、
④ 欲書学一レ字=書を読み字を学ばんと欲す。
である。
従って、
(一〇)(一一)(一二)により、
(一三)
① 下 二 一 二 一 上
② 下 二 一 中 上。
③ 二 レ レ 一。
④ 二 レ 一レ 。
といふ「返り点」は、
〔( )( )〕
といふ「括弧」で、「置き換へ」ることが出来る。
加へて、
(一四)
⑤ 下 レ 二 一 上。
⑥ 下 二 一 レ 上。
⑦ 三 レ 二 一。
⑧ 下 二 一 上レ 。
といふ「返り点」も、
〔( )( )〕
といふ「括弧」で、「置き換へ」ることが出来る。
従って、
(一三)(一四)により、
(一五)
〔( )( )〕
といふ「括弧」は、
① 下 二 一 二 一 上
⑤ 下 レ 二 一 上。
⑥ 下 二 一 レ 上。
③ 二 レ レ 一。
② 下 二 一 中 上。
⑦ 三 レ 二 一。
⑧ 下 二 一 上レ 。
④ 二 レ 一レ 。
といふ「返り点」に、対応する。
然るに、
(一六)
⑤ 下 レ 二 一 上。
⑥ 下 二 一 レ 上。
③ 二 レ レ 一。
といふ「三通り」は、
① 下 二 一 二 一 上
の「書き換へ」であって、
⑦ 三 レ 二 一。
⑧ 下 二 一 上レ 。
④ 二 レ 一レ 。
といふ「三通り」は、
② 下 二 一 中 上。
の「書き換へ」である。
従って、
(一五)(一六)により、
(一七)
① 〔 ( ) ( ) 〕
といふ「括弧」は、
① 下 二 一 二 一 上
といふ「返り点」と、「その変形」に、対応し、
② 〔 ( ) ( )〕
といふ「括弧」は、
② 下 二 一 中 上
といふ「返り点」と、「その変形」に、対応する。
平成二七年〇三月二〇日、毛利太。

2015年3月14日土曜日

例外(WH移動)。

ブロガー12
(〇一)
① ABである。
としても、
② A以外はBでない。
とは、限らない。
然るに、
(〇二)
① ABである。
ならば、
② A以外はBでない。
然るに、
(〇三)
② A以外はBでない。
といふことは、
② AでないならばBでない。
といふことに、他ならない。
然るに、
(〇四)
② BならばAである。
の「対偶」は、
② AでないならばBでない。
従って、
(〇二)(〇三)(〇四)により、
(〇五)
② A以外はBでない。
といふことは、
② BならばAである。
といふことに、他ならない。
然るに、
(〇六)
① ABである。
であって、尚且つ、
③ AはBでない
といふことは、「矛盾」する。
従って、
(〇六)により、
(〇七)
① ABである。
ならば、
① AはBである。
従って、
(〇一)~(〇七)により、
(〇八)
① ABである。
といふ「言ひ方」は、
① AはBであり、
② BはAである(A以外はBでない)。
といふ「連言」に、等しい。
従って、
(〇九)
① 私社長です。
といふ「言ひ方」は、
① 私は社長であって、
② 社長は私である(私以外は社長ではない)。
といふ「連言」に、等しい。
従って、
(〇九)により、
(一〇)
② 社長は私である(私以外は社長ではない)。
② 社長は鈴木である(鈴木以外は社長ではない)。
といふ「答へ」を期待してゐるのであれば、
① 誰社長ですか。
② 社長は誰ですか。
といふ風に、「質問」すべきであって、
③ 誰社長ですか。
といふ風に、「質問」すべきではない。
然るに、
(一一)
なぜ私達は濁音に迫力を感じるのでしょうか。なぜ清音に爽やかさを感じるのでしょうか。実は、この感覚は人類共通のものなのです。
(Amazon.co.jp: 怪獣の名はなぜガギグゲゴなのか (新潮新書): 黒川 ...)
従って、
(一一)により、
(一二)
① 誰(濁音) と、
③ 誰(清音) と
を比べるならば、
① 誰(濁音)
の方が、「心理的な音量」が、「大きい」。
然るに、
(一三)
② Only I am the 社長(No one but I am the 社長).
といふことを、「強く主張する」場合は、
I am the 社長.
に於ける、
I
は、「文強勢(Sentence Stress)」を、受ける(?)ものと、思はれる。
従って、
(〇九)~(一三)より、
(一四)
① 誰社長ですか。
といふ「質問」に対して、
③ 誰社長ですか。
といふ「質問」が有り得ないのは、
③ 誰 の方が、
① 誰 よりも、
「心理的な音量」の方が、「小さい」からである。
といふ風に、考へることが、出来る。
然るに、
(一五)
「ある部分」を「強調」する。といふことは、
「その部分」を「目立たせる」ことに、他ならない。
然るに、
(一六)
「その部分」だけを、「通常ではない形」にすれば、
「その部分」は、「目立つ」ことになる。
然るに、
(一七)
④ 吾欺=吾、誰をか欺かん。
⑤ 吾欺=吾、天を欺かん。
に於いて、
④ 吾欺=吾、誰をか欺かん。
は、「漢語としての、通常の語順」ではない。
然るに、
(一八)
 前置による強調
 疑問詞と指示詞の前置
動詞についての目的語は、その動詞の後に置かれるのが、漢語における基本構造としての単語の配列のしかたである。また、漢語における介詞は、ほとんど、動詞から発達したものであって、その目的語も、その介詞の後に置かれるのが、通則であるということができる。しかし、古代漢語においては、それらの目的語が疑問詞である場合には、いずれも、その動詞・介詞の前におかれている。このように、漢語としての通常の語順を変えて、目的語の疑問詞を前置きすることは、疑問文において、その疑問の中心になっている疑問詞を、特に強調したものにちがいない(鈴木直治、中国語と漢文、1975年、334・5頁)。
従って、
(一〇)~(一八)により、
(一九)
① 私鈴木です。
に対する、
① 誰社長ですか。
に於ける、
① 誰
が、「心理的な音量による、強調形」であるならば、
⑤ 吾欺
に対する、
④ 吾欺。
に於ける、

は、「前置による強調形」である。
然るに、
(二〇)
⑤ I deceive him.
である以上、
⑤ I deceive whom.
であるべきである。
といふことから、
⑤ I deceive him.
に対する、
Whom do I deceive?
等を、「WH移動」といふ。
従って、
(一七)(二〇)により、
(二一)
⑤ 吾欺
に対する、
④ 吾欺。
は、「漢文に於けるWH移動」である。
然るに、
(二二)
よく知られているように、中国語や日本語では wh 句は可視的には移動しない(日本語の wh 疑問文の構造と解釈の問題について ―「演算子」としての ...- Wikipedia)。
疑問詞を前に移動する(wh-移動、ただし中国語は当てはまらない)。 英:What is this?(SVO型 - Wikipedia)。
従って、
(二一)(二二)により、
(二三)
WH移動が有る所の、漢文は、
言語学者が云ふ所の、中国語ではない。
然るに、
(二四)
いづれにせよ、
④ 吾欺=吾、誰をか欺かん。
⑤ 吾欺=吾、天を欺かん。
に於いて、
を は、「補足語」であって、
を も、「補足語」である。
従って、
(二五)
④ 吾欺=吾、誰をか欺かん。
に関しては、「補足語」を含めて、「漢文と訓読」の「語順」が等しく、
⑤ 吾欺=吾、天を欺かん。
に関しては、「補足語」の部分が、「漢文と訓読」の「語順」が逆に、なってゐる。
従って、
(二五)により、
(二六)
漢語における語順は、国語と大きく違っているところがある。その補足構造における語順は、国語とは全く反対である(鈴木直治著、中国語と漢文、1975年、296頁)。
といふ「言ひ方」は、
⑤ 吾欺=吾、天を欺かん。
のやうな場合には、当てはまるものの、
④ 吾欺=吾、誰をか欺かん。
のやうに、「目的語(補足語)」が、英語でいふ、「WH疑問詞」である場合には、当てはまらない。
従って、
(二六)により、
(二七)
「前置(倒置)」を考慮する限り、「漢文訓読」に於いて、「語順」が「反対」であるならば、その時に限って、「その語順」は、「補足構造」を表してゐる。とは、言へない。
平成二七年〇三月一四日、毛利太。

2015年3月2日月曜日

「訓読」VS「音読」。

ブロガー11
このブログは、PC上では「縦書き」で表示され、マウスポインタが、「縦書きの部分」にある時に、マウスのホイールを回すと、左右にスクロールし、「横書きの部分」では、上下にスクロールします。下に見えてゐる、スクロールノブでスクロールする場合は、左右にだけスクロールします。
(〇一)
① 我不〔常読(漢文)〕。
に於いて、
〔 〕は、「括弧」とし、
( )も、「括弧」とする。
(〇二)
① 我不〔常読(漢文)〕。
に於いて、
① 不 は、「括弧の上」とし、
① 読 も、「括弧の上」とする。
(〇三)
① 我不〔常読(漢文)〕。
に於いて、
「括弧の上」は、「括弧の中」を読んでから読む。
とする。
従って、
(〇一)(〇二)(〇三)により、
(〇四)
① 我不〔常読(漢文)〕。
に於いて、
① 我 は、そのまま読む。
不 は、
我不〔常読(漢文)を読んでから読む。
我不〔常 は、そのまま読む。
我不〔常読 は、
我不〔常読(漢文 を読んでから読む。
従って、
(〇四)により、
(〇五)
① 我不〔常読(漢文)〕。
といふ「漢文」は、
② 我〔常には(漢文を)読ま〕不。
といふ「語順」で、「訓読」される。
然るに、
(〇六)
漢語における語順は、国語と大きく違っているところがある。その補足構造における語順は、国語とは全く反対である(鈴木直治著、中国語と漢文、1975年、296頁)。
従って、
(〇五)(〇六)により、
(〇七)
① 我不〔常読(漢文)〕=
② 我〔常には(漢文を)読ま〕不。
といふ「漢文訓読」は、
① 我不常読漢文。
といふ「漢文」の、
①〔( )〕
といふ「補足構造」を、反映してゐるし、
② 我、常には漢文を読まず。
といふ「訓読」は、
② 不=ず。 以外は、
① 我 不 常 読 漢 文
といふ「漢字」を、そのまま、使ってゐる。
然るに、
(〇八)
② 私は常には漢文を読まない。
の「中国語訳」は、例へば、
③ 我总是不读中国的经典。
である。
(〇九)
私は、所謂、「中国語」が、全く分からないものの、
③ 我总是不读中国的经典。
には、おそらく、
① 我不〔常読(漢文)〕。
といふ「補足構造」は、無い(?)はずであるし、
少なくとも、
① 我不常読漢文。
の中に、
③ 总是
といふ「漢字」は無い。
従って、
(〇七)(〇八)(〇九)により、
(一〇)
① 我不常読漢文=
① 我不〔常読(漢文)〕=
② 我〔常には(漢文を)読ま〕不。
といふ「漢文訓読」が、可能であるにも拘わらず、敢へて、
③ 我总是不读中国的经典。
のやうな「中国語」を学ばなければ、
① 我不常読漢文。
のやうな「漢文」も理解できない。
といふ主張には、納得がいかない。
(一一)
和習(わしゅう)または和臭(倭臭)とは日本人が漢文を作る時に、日本語の影響によっておかす独特な癖や用法。江戸時代に荻生徂徠によって指摘された(ウィキペディア:和習)。
とのことであるが、
現代中国語に習熟すれば、「和習」ならぬ、「現代中国語習」に染まらないとも、限らない。
(一二)
① 我不常読漢文。
といふ「漢文」の、
① 我不〔常読(漢文)〕。
といふ「補足構造」を把握せずに、
① 我不常読漢文。
といふ「漢文」を理解することは、有り得ない。
(一三)
① 我不常読漢文。
といふ「白文」を、
② 我、常には漢文を読まず。
と「訓読」してゐるにも拘わらず、
① 我不常読漢文。
といふ「白文」の、
① 我不〔常読(漢文)〕。
といふ「補足構造」を把握してゐない。
といふことも、有り得ない。
然るに、
(一四)
① 我不常読漢文。
といふ「漢文」を、例へば、
③ ガフツジョウドクカンブン。
といふ風に、「音読」しても、
① 我不〔常読(漢文)〕。
といふ「補足構造」を把握してゐるとは、限らない。
従って、
(一五)
さすがに、現在においては、「漢文訓読法」でなければ、日本人だけでなく、中国人も中国の古典は理解できない、などという主張をする者はいなくなった。今から考えてみれば「漢文訓読法派」は単に現代中国語ができなかっただけのことではなかったか、そのようにさえ思えてくる(勉誠出版、「訓読」論、2008年、2頁)。
とのことであるが、
① 我不〔常読(漢文)〕。
といふ「補足構造」を把握せずに、
① 我不常読漢文。
といふ「漢文」を理解することは、有り得ないが、
そのためには、
② 我、常には漢文を読まず。
といふ「訓読」こそが、最も、「有効」である。
といふ、ことであれば、
「漢文訓読法」でなければ、日本人だけでなく、中国人も中国の古典は理解できない。
といふ風に、言ひたくなる気持ちも、分らないではない。
平成二七年〇三月〇二日、毛利太。

2015年2月28日土曜日

「括弧(補足構造)」はあります!

ブロガー十
このブログは、PC上では「縦書き」で表示され、マウスポインタが、「縦書きの部分」にある時に、マウスのホイールを回すと、左右にスクロールし、「横書きの部分」では、上下にスクロールします。下に見えてゐる、スクロールノブでスクロールする場合は、左右にだけスクロールします。
(〇一)
ABC。
に於いて、
A is above C.
oveB is on C.
とする。
(〇二)
B is on C.
である時、
B=Cの上。
とする。
従って、
(〇二)により、
(〇三)
我読書。
に於いて、
読=書の上。
とする。
従って、
(〇三)により、
(〇四)
我読(書)。
に於いて、
読=(書)の上。
とする。
(〇五)
我読(書)
に於いて、
我読(書=( )の中。
とする。
(〇六)
① 我読(書)者也。
に於いて、
( )の上だけは、
( )の中を、読んだ後で、読む。
とする。
従って、
(〇六)により、
(〇七)
① 我読(書)者也=
① 我は(書を)読む者なり。
である。
(〇八)
( )
に加へて、
〔 〕
[ ]
{ }
 等を、「括弧」とし、
「括弧」の上だけは、
「括弧」の中を、読んだ後で、読む。
とする。
従って、
(〇一)~(〇八)により、
(〇九)
② 我非{常求[以〔解(中国語)法〕解(漢文)]者}也=
② 我は{常に[〔(中国語を)解する法を〕以て(漢文を)解せんことを]求むる者に}非ざるなり。
然るに、
(一〇)
① 我読書=
① 我、書を読む。
② 我非常求中国語漢文也=
② 我は常に中国語を解する方て漢文を解せんことを求る者に非ざるなり。
従って、
(〇九)(一〇)により、
(一一)
① レ
② 地 丙 下 二 一 上 乙 甲 天
といふ「返り点」に従って、
① 我読書。
② 我非常求中国語漢文也。
といふ「漢文」を読むことは、
①( )
②{[〔( )〕]( )}
といふ「括弧」に従って、
① 我読(書)者。
② 我非{常求[以〔解(中国語)法〕解(漢文)]者}也。
といふ「漢文」を読むことに、等しい。
然るに、
(一二)
(一)主述関係 主語―述語
(二)修飾関係 修飾語―被修飾語
(三)補足関係 叙述語―補足語
(四)並列関係 並列語―並列語
右の四つの文法関係は、漢語文法の基礎となっていることである(鈴木直治著、中国語と漢文、1975年、281~3頁、抜粋)。
漢語における語順は、国語と大きく違っているところがある。その補足構造における語順は、国語とは全く反対である(鈴木直治著、中国語と漢文、1975年、296頁)。
従って、
(一二)により、
(一三)
s四つの中にあって、
(三)補足構造 叙述語―補足語
に於ける語順だけが、国語とは反対である。
従って、
(一三)により、
(一四)
「漢文訓読」に於いて、「語順」が「反対」であるならば、
その時に限って、その「語順」 は、
(三)補足構造 叙述語―補足語
を、表してゐる。
従って、
(一一)(一四)により、
(一五)
① 我読書=
① 我書を読む。
② 我非常求以解中国語法解漢文者也=
② 我は常に中国語を解する法を以て漢文を解せんことを求むる者に非ざるなり。
といふ「漢文訓読」は、
① 我読(書)。
① 我(書)読。
② 我非{常求[以〔解(中国語)法〕解(漢文)]者}也。
② 我{常[〔(中国語)解法〕以(漢文)解]求者}非也。
といふ、
(三)補足構造 叙述語―補足語
を、表してゐる。
従って、
(一五)により、
(一六)
例へば、
① 我読書。
② 我非常求以解中国語法解漢文者也。
といふ「漢文」に、「括弧(補足構造)」は、有ります!
平成二七年〇二月二八日、毛利太。

2015年2月26日木曜日

「返り点」の基本(1)。

ブロガー九(二 三 は無い)
このブログは、PC上では「縦書き」で表示され、マウスポインタが、「縦書きの部分」にある時に、マウスのホイールを回すと、左右にスクロールし、「横書きの部分」では、上下にスクロールします。下に見えてゐる、スクロールノブでスクロールする場合は、左右にだけスクロールします。
(〇一)
① 読漢文
① 漢文を読む。
(〇二)
② 学漢字
② 漢字を学ぶ。
従って、
(〇三)
①+②=
③ 読漢文漢字
③ 漢文を読み、漢字を学ぶ。
(〇四)
④ 有漢文
④ 漢文を学ぶ者り。
(〇五)
⑤ 欲漢文漢字
⑤ 漢文を読み、漢字を学ばんと欲す。
(〇六)
⑥ 不常聞鳥啼梅樹
⑥ 常には鳥の梅樹に啼く声を聞か不
従って、
(〇三)~(〇六)により、
(〇七)
③ 二 一 二 一。
④ 下 二 一 上。
⑤ 下 二 一 中 上。
⑥ 下 中 二 一 上。
であって、
③ 二 一 四 三。
④ 四 二 一 三。
⑤ 五 二 一 四 三。
⑥ 五 四 二 一 三。
ではない。
従って、
(〇七)により、
(〇八)
③ 二 一 二 一。
 二 一
 二 一
下 中 二 一
に対して、
③ 二 一 四 三。
 二  三。
 二 一 四 三。
五 四 二  三。
は「不可」である。
従って、
(〇八)により、
(〇九)
二 の下には、一 が、無ければならず、
二 の下には、三 が、有っては、ならない。
は、「定理」である。
(一〇)
「定理(〇九)」が成り立つ所以は、
① 一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
② 上 中 下
に於いて、
① を挟んで返るならば、その時に限って、
② を用ゐる。
といふ「ルール」が有るからであるが、
② 上 中 下
③ 甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
に於いて、
② を挟んで返るならば、その時に限って、
③ を用ゐ、
③ 甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
④ 天 地 人
に於いて、
③ を挟んで返るならば、その時に限って、
④ を用ゐる。
といふのも、「ルール」である。
然るに、
(一一)
① 学漢文
① 漢文を学ぶ。
⑦ 有文者
⑦ 文を学ぶ者有り。
⑧ 不文者
⑧ 文を学ぶ者有ら不。
⑨ 無人知一レ去=
⑨ 人の去る所を知る無し。
加へて、
(一二)
レ下・・レ・・上レ 。
レ乙・・レ・・甲レ 。
レ地・・レ・・天レ 。
等も、「不可」ではない。
従って、
(一一)(一二)により、
(一三)
① レ
② 一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
に於いて、
① を挟んで返るならば、その時に限って、
② を用ゐる。
といふ「ルール」は、無い。
従って、
(一〇)~(一三)により、
(一四)
教科書等に於いて、
① レ
② 一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
③ 上 中 下
④ 甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
⑤ 天 地 人
といふ「順番」で、説明されるからと言って、
① レ
② 一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
③ 上 中 下
④ 甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
⑤ 天 地 人
といふ「順番」で、用ゐられるワケではないが、
② 一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
③ 上 中 下
④ 甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
⑤ 天 地 人
といふ「順番」に関して、
この通りの「順番」で、用ゐられる。
すなはち、
(一〇)により、
(一五)
⑤ 天地点 が用ゐられる際には、その前に、
④ 甲乙点 が用ゐられてゐる必要があり、
④ 甲乙点 が用ゐられる際には、その前に
③ 上下点 が用ゐられてゐる必要があり、
③ 上下点 が用ゐられる際には、その前に、
② 一二点 が用ゐられている必要がある。
平成二七年〇二月二六日、毛利太。

2015年2月25日水曜日

「レ点」について。

ブロガー八
このブログは、PC上では「縦書き」で表示され、マウスポインタが、「縦書き」の部分にある時に、マウスのホイールを回すと、左右にスクロールし、「横書き」の部分では、上下にスクロールします。下に見えてゐる、スクロールノブでスクロールする場合は、左右にだけスクロールします。
(〇一)
例へば、
① 知我不小節而恥功名不上レ于天下也。
といふ「返り点」は、「参考書」に載ってゐるが、
① 知我不小節而恥功名不于天下也。
といふ「返り点」は、「参考書」に載ってゐない。
然るに、
(〇二)
① 知我不小節而恥功名不上レ于天下也=
① 知我不小節而恥功名不于天下也=
① 知我不小節而恥功名不于天下也=
① 我の小節を羞ぢ不して功名の天下に顕れ不るを恥ずるを知ればなり。
とすれば、
① 知我不小節而恥功名不上レ于天下也=
① 我の小節を羞ぢ不して、功名の天下に顕れ不るを恥づるを知ればなり。
といふ「返り点」を、「説明」した。ことになる。
従って、
(〇一)(〇二)により、
(〇三)
① 知我不小節而恥功名不于天下也=
① 知我不小節而恥功名不于天下也=
① 我の小節を羞ぢ不して功名の天下に顕れ不るを恥ずるを知ればなり。
といふ「返り点」は、「現行の返り点」としては、「マチガイ」であるが、
① 知我不小節而恥功名不上レ于天下也。
といふ「返り点」を「説明」する上で、
① 知我不小節而恥功名不于天下也=
① 知我不小節而恥功名不于天下也。
といふ「返り点」は、「有効」である。
それ故、
(〇四)
① 知我不小節而恥功名不上レ于天下也=
① 知我不小節而恥功名不于天下也=
① 知我不小節而恥功名不于天下也。
といふ「形」による「説明」を、「一二点による説明」とする。
(〇五)
「一二点による説明」に対して、
 には、下点 があるため、
知 は、読まない。
我 は そのまま、読む。
 には、レ点 があるため、
羞 を、読もうとすると、
 には、二点 があるため、
羞 は 読まない。
小 は、そのまま、読む。
節 を、読もうとすると、
 には、一点 があるため、
節 を読み、
 から、
 に返って、
羞 を読み、
羞 の上の、レ点 により、
不 を読む。
而 は、「置き字」であるため、読まない。
 には、中点 があるため、
恥 は、読まない。
功 は、そのまま、読む。
名 は、そのまま、読む。
上レ には、レ点 があるため、
顕 を、読もうとすると、
 には、二点 があるため、
顕 は 読まない。
于 は、「置き字」であるため、読まない。
天 は、そのまま、読む。
 には、一点 があるため、 下 を、読んでから、
 を読み、
顕 の上の、レ点 により、
 に返って、
不 を、読み、
 から、
 に返って、
恥 を、読み、
 から、
 に返って、
知 を、読む。
といふ「説明」を、「逐次的説明」とする。
従って、
(〇四)(〇五)により、
(〇六)
「一二点による説明」は、「簡単」であるが、
「逐次的説明」は、る説明「簡単」ではない。
然るに、
(〇七)
① 知我不小節而恥功名不上レ于天下也=
① 我の小節を羞ぢ不して、功名の天下に顕れ不るを恥づるを知ればなり。
に対して、
② 知我不必羞小節而恥功名不常顕于天下也=
② 我の必ずしも小節を羞ぢ不して、功名の常には天下に顕れ不るを恥づるを知ればなり。
は、「現行の返り点」として、「正しい」。
従って、
(〇八)
① 知我不小節而恥功名不上レ于天下也。
であっても、
② 知我不必羞小節而恥功名不常顕于天下也。
と同様に、
① 知我不小節而恥功名不于天下也。
であっても良いやうに、思へるものの、既に、述べた通り、
① 知我不小節而恥功名不于天下也。
に於ける、
① 戊 三 二 一 丁 丙 乙 甲。
といふ「返り点」は、「参考書(1973年)」には、載ってゐない。
(〇九)
「金文京、漢字と東アジア、2010年、52頁」を読む限り、
レ点 は、本来は、「上の一字」と、「下の一字」を、逆にして読む際の、記号であったやうである。
従って、
(〇九)により、
(一〇)
「本来の、レ点の用法」からすれば、
③ 不漢文
③ 読漢文
③ 読 漢文
といふ、ことになる。
従って、
(一〇)により、
(一一)
③ 不漢文
③ 漢文を読まず。
といふ「読み方」は、
レ点 の、「本来の使い方」ではない。
然るに、
(一二)
③ 不漢文
であれば、
誰であっても、
③ 不漢文
③ 漢文を読ま不
といふ「順番」で、読むことになる。
従って、
(一一)(一二)により、
(一三)
③ 不漢文
③ 漢文を読ま不
と読まれるやうに、なった時点で、
③ レ は、
③ 三 の「略号」に変はった。
といふ風に、見なすことが、出来る。
従って、
(一四)
④ 不漢文
④ 漢文を読ま不る可から不
であれば、
④ レ レ レ は、
④ 五 四 三 の「略号」である。
といふ風に、見なすことが、出来る。
然るに、
(一五)
さうであれば、
④ 不漢文
④ 不漢文
④ 漢文を読ま不る可から不
とする所の、「一二点による説明」に、「支障」は無い。
然るに、
(一六)
④ 不漢文
④ 不漢文
である以上、
④ 不
④ 不
に於ける、
④ レ レ レ と、
④ 五 四 三 は、
「同じ位置」に、無ければ、ならない。
然るに、
(一七)
レ点は下の字に属して左肩につけ、その他の一二点などは字の左下につける(原田種成、私の漢文講義、1995年、41頁)。
従って、
(一六)(一七)により、
(一八)
原田先生の説に、従ふ限り、
④ レ レ レ は、
④ 五 四 三 の「略号」ではない。
従って、
(一八)により、
④ 不漢文
④ 不漢文
④ 漢文を読ま不る可から不
とする所の、「一二点による説明」は、普通は、行はれることが、無い。
然るに、
(一九)
「結果」として、
④ 不漢文
④ 不漢文
④ 漢文を読ま不る可から不
① 知我不小節而恥功名不上レ于天下也=
① 知我不小節而恥功名不于天下也=
① 知我不小節而恥功名不于天下也=
① 我の小節を羞ぢ不して功名の天下に顕れ不るを恥ずるを知ればなり。
であることは、「事実」である。
加へて、
(二〇)
④ 不漢文
④ 不漢文
④ 漢文を読ま不る可から不
とすれば、これ以上、
④ 不漢文
といふ「返り点」を、「説明」する必要は無い。
加へて、
(二一)
⑤ 恐衆狙之不一レ於己
⑤ 恐衆狙之不於己
⑤ 衆狙の己に馴れ不るを恐る。
といふ、「一二点による説明」を行ふ限り、
教えて! goo
s質問者:noname#100659
s投稿日時:2005/11/20 01:10
s漢文についてお聞きします。
s漢文の教科書に次のような文章が出てきます。
s例文は有名な朝三暮四です。
s 衆狙之 不一レ 於己
sこれなのですが、打ち方はこれ一通りと決まっていますか?
s次のように打つと何がいけないのでしょうか?
s同じように読めてしまうような気がするのですが・・・。
s衆狙之 不 於己
s右の打ち方だと何が問題でしょうか?
s同じにはなりませんでしょうか?
といふ「疑問」は、有り得ない。
従って、
(〇一)~(二一)により、
(二二)
「レ点を含む、返り点」の説明は、「逐次的説明」に頼るのではなく、
① レ点 を用ゐなければ、かうである。
だけれども、この場合は、
② レ点 を用ゐるのが、「ルール」なので、
③ 正しくは、かうである。
といった、「一二点による説明」を、行ふべきである。
平成二七年〇二月二五日、毛利太。