このブログは、PC上では「縦書き」で表示され、マウスポインタが、「縦書きの部分」にある時に、マウスのホイールを回すと、左右にスクロールし、「横書きの部分」では、上下にスクロールします。下に見えてゐる、スクロールノブでスクロールする場合は、左右にだけスクロールします。
(〇一)
「返り点」とは、
① 一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
② 上 中 下
③ 甲 乙 丙 丁 戊 ・ ・ ・ ・ ・
④ 天 地 人
⑤ レ
⑥ ‐(ハイフン)
を、言ふ。
(〇二)
読教科書=
教科書を読む。
の「返り点」 を、
読四教一科二書三=
教一科二書三を読四む。
とするのは、「マチガイ」であって、
読二教科書一=
教科書一を読二む。
が、「正しい」。
(〇三)
読教科書学漢文=
教科書を読み漢文を学ぶ。
の「返り点」 を、
読二教科書一学四漢文三=
教科書一を読二み漢文三を学四ぶ。
とするは、「マチガイ」であって、
読二教科書一学二漢文一=
教科書一を読二み漢文一を学二ぶ。
が、「正しい」。
従って、
(〇二)(〇三)により、
(〇四)
四 一 二 三。
二 一 四 三。
は「マチガイ」であって、
二 一。
二 一 二 一。
が「正しく」、このことは、「基本中の基本」である。
(〇五)
① 一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
② 上 中 下
③ 甲 乙 丙 丁 戊 ・ ・ ・ ・ ・
④ 天 地 人
に於いて、
① を挟んで返る場合には、
② を用ゐ、
② を挟んで返る場合には、
③ を用ゐ、
③ を挟んで返る場合には、
④ を用ゐる。
といふ「決まり」が有って、このことも、「基本」である。
従って、
(〇四)(〇五)により、
(〇六)
四 二 一 三。
五 二 一 四 三。
五 四 二 一 三
は、「マチガイ」であって、
下 二 一 上。
下 二 一 中 上。
下 中 二 一 上。
が、「正しい」。
従って、
(〇六)により、
(〇七)
有読教科書者=
教科書を読む者有り。
は、
有下読二教科書一者上=
教科書一を読二む者上有下り。
が「正しく」、
如揮快刀断乱麻=
快刀を揮って乱麻を断つが如し。
は、
如下揮二快刀一断中乱麻上=
快刀一を揮二って乱麻上を断中つが如下し。
が「正しく」、
不常聞鳥啼梅樹声=
常には鳥の梅樹に啼く声を聞かず。
は、
不下常聞中鳥啼二梅樹一声上=
常には鳥の梅樹一に啼二く声上を聞中か不下。
が「正しい」。
然るに、
(〇八)
① 一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
③ 甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
とは異なり、
② 上 中 下
④ 天 地 人
は、三つしかない。
従って、
(〇七)(〇八)により、
(〇九)
不欲揮快刀断乱麻=
快刀を揮って乱麻を断たんと欲せず。
に対して、
不必欲揮快刀断乱麻=
必ずしも 快刀を揮って乱麻を断たんと欲せず。
の場合は、已むを得ず、
② 上 中 下
ではなく、
③ 甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
を、用ゐて、
不丁必欲丙揮二快刀一断乙乱麻甲=
必ずしも快刀一を揮二って乱麻甲を断乙たんと欲丙せ不丁
とする。
従って、
(〇七)(〇九)により、
(一〇)
下 二 一 上。
下 中 二 一 上。
下 二 一 中 上。
丁 丙 二 一 乙 甲。
が、正しい。
然るに、
(一一)
例へば、
四 二 一 三 ⇔
下 二 一 上。
ではなく、
二 四 一 三。
であったとする。
然るに、
(一二)
(3)上中下点(上・下、上・中・下)
レ点・一二点だけで示しきれない場合。必ず一二点をまたいで返る場合に用いる(数学の式における( )が一二点で、{ }が上中点に相当しりものと考えるとわかりやすい)。〔原田種成、私の漢文講義、1995年、43頁〕
従って、
(一一)(一二)により、
(一三)
二 四 一 三 ⇔
二 下 一 上。
でなければ、ならないが、
その一方で、
{( )}
に対して、
({ )}
といふ形の「括弧」は、有り得ない。
従って、
(一三)により、
(一四)
{( )}
に対して、
({ )}
といふ形の「括弧」が、有り得ないやうに、
二 四 一 三 ⇔
二 下 一 上。
といふ形の「返り点」も、存在しない。
加へて、
(一五)
二 3 一。
二 4 一 3。
二 5 一 4。
二 6 一 5。
・・・・・・。
といふ「順番」を表す「返り点」も、存在しない。
従って、
(一六)
2 3 1。
といふ「数字の順番」になるやうに、「返り点」を付けよ。
といふ「問題」がある場合には、実際には、
理‐解 文=
文を、理‐解す。
のやうな、
2‐3 1。
に対して、
二 一。
といふ「返り点」を、付けることになる。
然るに、
(一七)
「ハイフン」を付けることが出来るのは、
2‐3
2‐3‐4
2‐3‐4‐5
・ ・ ・ ・ ・ 。
のやうな、「昇べき順」の場合に、限られてゐるため、
2 4 1 3。
2 5 1 3 4。
2 6 1 4 3 5。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・。
等の「順番」に対しては、「ハイフン」を付けることが、出来ない。
従って、
(一五)(一七)により、
(一八)
2 4 1 3。
2 5 1 3 4。
2 6 1 4 3 5。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・。
等の「順番」に対しては、原理的に、「返り点」を付けることが、出来ない。
(一九)
不欲揮快刀断乱麻=
快刀を揮って乱麻を断たんと欲せず。
の「返り点」は、
不レ欲下揮二快刀一断中乱麻上=
快刀を揮って乱麻を断たんと欲せず。
であって、
不欲揮刀断麻=
刀を揮って麻を断たんと欲せず。
の「返り点」は、
不レ欲二揮レ刀断一レ麻=
刀を揮って麻を断たんと欲せず。
である。
従って、
(一九)により、
(二〇)
① 一 二・点
② 上 下・点
③ 甲 乙・点
④ 天 地・点
⑤ レ点
に於いて、
⑤ レ点
は、
① 一二 の下にも、
① 一二 の中にも、
① 二二 の上にも、
② 下二 の上にも、
置くことが、出来るし、
加へて、
(二一)
末レ保地安止丙以天乙宇衣太下於曽中加之レ左二久レ幾己一レ計世上レ寸州甲レ知波三奈乃二奴レ仁祢一部天レ不レ比。
であるため、
まほあといてうえたおそかしさくきこけせつちはなのぬにねへふひ=
あいうえおかきくけこさしすせそたちつてとなにぬねのはひへほま。
に付く「返り点」は、
レ 地 丙 乙 下 中 レ 二 レ 一レ 上レ
甲レ 三 二 レ 一 天レ レ。
である。
従って、
(二一)により、
(二二)
二 一レ
だけでなく、
中 上レ
乙 甲レ
地 天レ
といふ「返り点」は、「可能」である。
然るに、
(二三)
二 一レ
中 上レ
乙 甲レ
地 天レ
は、
三 二 一
下 中 上
丙 乙 甲
人 地 天
に対する、「書き換へ」に過ぎない。
然るに、
(二四)
三 二レ 一
下 中レ 上
丙 乙レ 甲
人 地レ 天
であるならば、
レ で、二に返り、一から、二に返る。
レ で、中に返り、上から、中に返る。
レ で、乙に返り、甲から、乙に返る。
レ で、地に返り、天から、地に返る。
ことに、なる。
従って、
(二二)(二四)により、
(二五)
二 一レ
中 上レ
乙 甲レ
地 天レ
に対して、
三 二レ 一
下 中レ 上
丙 乙レ 甲
人 地レ 天
等は、有り得ない。
(二六)
非レ不レ読二漢文一=
漢文を読まざるに非ず。
といふ「返り点」は、
非四不三読二漢文一=
漢文一を読二ま不三るに非四ず。
といふ「返り点」に、等しい。
従って、
(二七)
非レ不レ読二漢文一=
非四不三読二漢文一。
のやうな、「使い方」してゐる限り、
「レ点」は、少しも、難しくはない。
然るに、
(二八)
恐四衆狙之不三馴二於己一=
衆狙の己一に馴二れ不三るを恐一る。
ではなく、
恐二衆狙之不二レ馴二於己一=
衆狙の己に馴れ不るを恐る(朝三暮四)。
が、「正しい」。
然るに、
(二九)
三 二 一。
に等しい所の、
二 一レ
といふ「返り点」が無ければ、
恐二衆狙之不一レ馴二於己一。
といふ「分りにくい、返り点」は、
恐四衆狙之不三馴二於己一。
といふ風に、書かざるを得ないし、固より、
① 一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
③ 甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
② 上 中 下 松 竹 梅
④ 天 地 人 間
くらいの「返り点」が有れば、
⑤ レ点
自体が、不要である。
然るに、
(三〇)
数式に於いて、
( )の他に、
{ }を使ふ理由は、
( )だけでは、「読みにくい」からであるが、
① 一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
の他に、
② 上 中 下
③ 甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
④ 天 地 人
を使ふ「理由」も、例へば、
使一三籍誠不八以五畜二妻子一憂四飢寒三乱七心六而有一〇銭財九以済一二医薬一一=
籍をして誠に妻子一を畜二ひ飢寒三を憂四ふるを以五て心六を乱七不八銭財九有一〇りて以て医薬一一を済一二さ使一三む。
のやうに、
① 一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
だけを用ゐると、「読みにくい」からである。
然るに、
(三一)
「読みにくい」のとは逆に、
「付けやすさ」から言へば、
① 一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
よりも、「付けやすい」それは、有り得ない。
従って、
(二九)(三一)により、
(三二)
① 一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
③ 甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
② 上 中 下 松 竹 梅
④ 天 地 人 間
⑤ レ点
に於いて、
「付けやすい返り点」といふことから言へば、
①
だけの「返り点(番号)」が、「最も簡単」であり、
①+③+②+④
からなる「返り点」が、「その次に簡単」であり、
⑤ レ点
を含む、
①+③+②+④+⑤
からなる、「フルセットの返り点」が、「最も難しい」。
従って、
(三三)
「返り点」が、メチャクチャ苦手な、中高生に対しては、
最初に、
使一三籍誠不八以五畜二妻子一憂四飢寒三乱七心六而有一〇銭財九以済一二医薬一一=
籍をして誠に妻子一を畜二ひ飢寒三を憂四ふるを以五て心六を乱七不八銭財九有一〇りて以て医薬一一を済一二さ使一三む。
といふ風に、
① 一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
だけからなる、「返り点(番号)」を付けることを、勧めたい。
(三四)
その上で、
使一三籍誠不八以五畜二妻子一憂四飢寒三乱七心六而有一〇銭財九以済一二医薬一一。
に対して、
① 一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
③ 甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
② 上 中 下
④ 天 地 人
からなら「返り点」を用ゐて、
使人籍誠不丙以下畜二妻子一憂中飢寒上乱乙心甲而有二銭財一以済地医薬天=
籍をして誠に妻子一を畜二ひ飢寒上を憂中ふるを以下て心甲を乱乙不乙銭財一有二りて以て医薬天を済地さ使人む。
とすることを、勧めたい。
(三五)
その次に、
① 一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
③ 甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
② 上 中 下
④ 天 地 人
に加へて、
⑤ レ点
を用ゐて、
使人籍誠不乙以下畜二妻子一憂中飢寒上乱甲レ心而有二銭財一以済地医薬天。
とすることを、勧めたい。
(三六)
言沛公不敢背項王=
沛公敢へて項王に背かずと言はん。
であれば、もちろん、
言四沛公不三敢背二項王一=
沛公敢へて項王一に背二か不三と言四はん。
である。
然るに、
(三七)
言沛公不背項王=
沛公項王に背かずと言はん。
の場合は、
言四沛公不三背二項王一=
沛公項王一に背二か不三と言四はん。
は、「マチガイ」であって、
言二沛公不一レ背二項王一=
沛公項王に背かずと言はん。
が、「正しい」。
と決めたのは、多分、明治時代の、文部省である。
(三八)
当初の予定では、「グーグルサイト」を「縦書き」で書き、「ブロガー」は「横書き」とするつもりでゐたのですが、「グーグルサイト」での「縦書き」は、少なくとも、私には、出来そうもなく、そのため、「二つ目のブロガー」を始めた、次第です。
平成二七年〇二月〇八日、毛利太。
(〇一)
「返り点」とは、
① 一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
② 上 中 下
③ 甲 乙 丙 丁 戊 ・ ・ ・ ・ ・
④ 天 地 人
⑤ レ
⑥ ‐(ハイフン)
を、言ふ。
(〇二)
読教科書=
教科書を読む。
の「返り点」 を、
読四教一科二書三=
教一科二書三を読四む。
とするのは、「マチガイ」であって、
読二教科書一=
教科書一を読二む。
が、「正しい」。
(〇三)
読教科書学漢文=
教科書を読み漢文を学ぶ。
の「返り点」 を、
読二教科書一学四漢文三=
教科書一を読二み漢文三を学四ぶ。
とするは、「マチガイ」であって、
読二教科書一学二漢文一=
教科書一を読二み漢文一を学二ぶ。
が、「正しい」。
従って、
(〇二)(〇三)により、
(〇四)
四 一 二 三。
二 一 四 三。
は「マチガイ」であって、
二 一。
二 一 二 一。
が「正しく」、このことは、「基本中の基本」である。
(〇五)
① 一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
② 上 中 下
③ 甲 乙 丙 丁 戊 ・ ・ ・ ・ ・
④ 天 地 人
に於いて、
① を挟んで返る場合には、
② を用ゐ、
② を挟んで返る場合には、
③ を用ゐ、
③ を挟んで返る場合には、
④ を用ゐる。
といふ「決まり」が有って、このことも、「基本」である。
従って、
(〇四)(〇五)により、
(〇六)
四 二 一 三。
五 二 一 四 三。
五 四 二 一 三
は、「マチガイ」であって、
下 二 一 上。
下 二 一 中 上。
下 中 二 一 上。
が、「正しい」。
従って、
(〇六)により、
(〇七)
有読教科書者=
教科書を読む者有り。
は、
有下読二教科書一者上=
教科書一を読二む者上有下り。
が「正しく」、
如揮快刀断乱麻=
快刀を揮って乱麻を断つが如し。
は、
如下揮二快刀一断中乱麻上=
快刀一を揮二って乱麻上を断中つが如下し。
が「正しく」、
不常聞鳥啼梅樹声=
常には鳥の梅樹に啼く声を聞かず。
は、
不下常聞中鳥啼二梅樹一声上=
常には鳥の梅樹一に啼二く声上を聞中か不下。
が「正しい」。
然るに、
(〇八)
① 一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
③ 甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
とは異なり、
② 上 中 下
④ 天 地 人
は、三つしかない。
従って、
(〇七)(〇八)により、
(〇九)
不欲揮快刀断乱麻=
快刀を揮って乱麻を断たんと欲せず。
に対して、
不必欲揮快刀断乱麻=
必ずしも 快刀を揮って乱麻を断たんと欲せず。
の場合は、已むを得ず、
② 上 中 下
ではなく、
③ 甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
を、用ゐて、
不丁必欲丙揮二快刀一断乙乱麻甲=
必ずしも快刀一を揮二って乱麻甲を断乙たんと欲丙せ不丁
とする。
従って、
(〇七)(〇九)により、
(一〇)
下 二 一 上。
下 中 二 一 上。
下 二 一 中 上。
丁 丙 二 一 乙 甲。
が、正しい。
然るに、
(一一)
例へば、
四 二 一 三 ⇔
下 二 一 上。
ではなく、
二 四 一 三。
であったとする。
然るに、
(一二)
(3)上中下点(上・下、上・中・下)
レ点・一二点だけで示しきれない場合。必ず一二点をまたいで返る場合に用いる(数学の式における( )が一二点で、{ }が上中点に相当しりものと考えるとわかりやすい)。〔原田種成、私の漢文講義、1995年、43頁〕
従って、
(一一)(一二)により、
(一三)
二 四 一 三 ⇔
二 下 一 上。
でなければ、ならないが、
その一方で、
{( )}
に対して、
({ )}
といふ形の「括弧」は、有り得ない。
従って、
(一三)により、
(一四)
{( )}
に対して、
({ )}
といふ形の「括弧」が、有り得ないやうに、
二 四 一 三 ⇔
二 下 一 上。
といふ形の「返り点」も、存在しない。
加へて、
(一五)
二 3 一。
二 4 一 3。
二 5 一 4。
二 6 一 5。
・・・・・・。
といふ「順番」を表す「返り点」も、存在しない。
従って、
(一六)
2 3 1。
といふ「数字の順番」になるやうに、「返り点」を付けよ。
といふ「問題」がある場合には、実際には、
理‐解 文=
文を、理‐解す。
のやうな、
2‐3 1。
に対して、
二 一。
といふ「返り点」を、付けることになる。
然るに、
(一七)
「ハイフン」を付けることが出来るのは、
2‐3
2‐3‐4
2‐3‐4‐5
・ ・ ・ ・ ・ 。
のやうな、「昇べき順」の場合に、限られてゐるため、
2 4 1 3。
2 5 1 3 4。
2 6 1 4 3 5。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・。
等の「順番」に対しては、「ハイフン」を付けることが、出来ない。
従って、
(一五)(一七)により、
(一八)
2 4 1 3。
2 5 1 3 4。
2 6 1 4 3 5。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・。
等の「順番」に対しては、原理的に、「返り点」を付けることが、出来ない。
(一九)
不欲揮快刀断乱麻=
快刀を揮って乱麻を断たんと欲せず。
の「返り点」は、
不レ欲下揮二快刀一断中乱麻上=
快刀を揮って乱麻を断たんと欲せず。
であって、
不欲揮刀断麻=
刀を揮って麻を断たんと欲せず。
の「返り点」は、
不レ欲二揮レ刀断一レ麻=
刀を揮って麻を断たんと欲せず。
である。
従って、
(一九)により、
(二〇)
① 一 二・点
② 上 下・点
③ 甲 乙・点
④ 天 地・点
⑤ レ点
に於いて、
⑤ レ点
は、
① 一二 の下にも、
① 一二 の中にも、
① 二二 の上にも、
② 下二 の上にも、
置くことが、出来るし、
加へて、
(二一)
末レ保地安止丙以天乙宇衣太下於曽中加之レ左二久レ幾己一レ計世上レ寸州甲レ知波三奈乃二奴レ仁祢一部天レ不レ比。
であるため、
まほあといてうえたおそかしさくきこけせつちはなのぬにねへふひ=
あいうえおかきくけこさしすせそたちつてとなにぬねのはひへほま。
に付く「返り点」は、
レ 地 丙 乙 下 中 レ 二 レ 一レ 上レ
甲レ 三 二 レ 一 天レ レ。
である。
従って、
(二一)により、
(二二)
二 一レ
だけでなく、
中 上レ
乙 甲レ
地 天レ
といふ「返り点」は、「可能」である。
然るに、
(二三)
二 一レ
中 上レ
乙 甲レ
地 天レ
は、
三 二 一
下 中 上
丙 乙 甲
人 地 天
に対する、「書き換へ」に過ぎない。
然るに、
(二四)
三 二レ 一
下 中レ 上
丙 乙レ 甲
人 地レ 天
であるならば、
レ で、二に返り、一から、二に返る。
レ で、中に返り、上から、中に返る。
レ で、乙に返り、甲から、乙に返る。
レ で、地に返り、天から、地に返る。
ことに、なる。
従って、
(二二)(二四)により、
(二五)
二 一レ
中 上レ
乙 甲レ
地 天レ
に対して、
三 二レ 一
下 中レ 上
丙 乙レ 甲
人 地レ 天
等は、有り得ない。
(二六)
非レ不レ読二漢文一=
漢文を読まざるに非ず。
といふ「返り点」は、
非四不三読二漢文一=
漢文一を読二ま不三るに非四ず。
といふ「返り点」に、等しい。
従って、
(二七)
非レ不レ読二漢文一=
非四不三読二漢文一。
のやうな、「使い方」してゐる限り、
「レ点」は、少しも、難しくはない。
然るに、
(二八)
恐四衆狙之不三馴二於己一=
衆狙の己一に馴二れ不三るを恐一る。
ではなく、
恐二衆狙之不二レ馴二於己一=
衆狙の己に馴れ不るを恐る(朝三暮四)。
が、「正しい」。
然るに、
(二九)
三 二 一。
に等しい所の、
二 一レ
といふ「返り点」が無ければ、
恐二衆狙之不一レ馴二於己一。
といふ「分りにくい、返り点」は、
恐四衆狙之不三馴二於己一。
といふ風に、書かざるを得ないし、固より、
① 一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
③ 甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
② 上 中 下 松 竹 梅
④ 天 地 人 間
くらいの「返り点」が有れば、
⑤ レ点
自体が、不要である。
然るに、
(三〇)
数式に於いて、
( )の他に、
{ }を使ふ理由は、
( )だけでは、「読みにくい」からであるが、
① 一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
の他に、
② 上 中 下
③ 甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
④ 天 地 人
を使ふ「理由」も、例へば、
使一三籍誠不八以五畜二妻子一憂四飢寒三乱七心六而有一〇銭財九以済一二医薬一一=
籍をして誠に妻子一を畜二ひ飢寒三を憂四ふるを以五て心六を乱七不八銭財九有一〇りて以て医薬一一を済一二さ使一三む。
のやうに、
① 一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
だけを用ゐると、「読みにくい」からである。
然るに、
(三一)
「読みにくい」のとは逆に、
「付けやすさ」から言へば、
① 一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
よりも、「付けやすい」それは、有り得ない。
従って、
(二九)(三一)により、
(三二)
① 一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
③ 甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
② 上 中 下 松 竹 梅
④ 天 地 人 間
⑤ レ点
に於いて、
「付けやすい返り点」といふことから言へば、
①
だけの「返り点(番号)」が、「最も簡単」であり、
①+③+②+④
からなる「返り点」が、「その次に簡単」であり、
⑤ レ点
を含む、
①+③+②+④+⑤
からなる、「フルセットの返り点」が、「最も難しい」。
従って、
(三三)
「返り点」が、メチャクチャ苦手な、中高生に対しては、
最初に、
使一三籍誠不八以五畜二妻子一憂四飢寒三乱七心六而有一〇銭財九以済一二医薬一一=
籍をして誠に妻子一を畜二ひ飢寒三を憂四ふるを以五て心六を乱七不八銭財九有一〇りて以て医薬一一を済一二さ使一三む。
といふ風に、
① 一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
だけからなる、「返り点(番号)」を付けることを、勧めたい。
(三四)
その上で、
使一三籍誠不八以五畜二妻子一憂四飢寒三乱七心六而有一〇銭財九以済一二医薬一一。
に対して、
① 一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
③ 甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
② 上 中 下
④ 天 地 人
からなら「返り点」を用ゐて、
使人籍誠不丙以下畜二妻子一憂中飢寒上乱乙心甲而有二銭財一以済地医薬天=
籍をして誠に妻子一を畜二ひ飢寒上を憂中ふるを以下て心甲を乱乙不乙銭財一有二りて以て医薬天を済地さ使人む。
とすることを、勧めたい。
(三五)
その次に、
① 一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
③ 甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
② 上 中 下
④ 天 地 人
に加へて、
⑤ レ点
を用ゐて、
使人籍誠不乙以下畜二妻子一憂中飢寒上乱甲レ心而有二銭財一以済地医薬天。
とすることを、勧めたい。
(三六)
言沛公不敢背項王=
沛公敢へて項王に背かずと言はん。
であれば、もちろん、
言四沛公不三敢背二項王一=
沛公敢へて項王一に背二か不三と言四はん。
である。
然るに、
(三七)
言沛公不背項王=
沛公項王に背かずと言はん。
の場合は、
言四沛公不三背二項王一=
沛公項王一に背二か不三と言四はん。
は、「マチガイ」であって、
言二沛公不一レ背二項王一=
沛公項王に背かずと言はん。
が、「正しい」。
と決めたのは、多分、明治時代の、文部省である。
(三八)
当初の予定では、「グーグルサイト」を「縦書き」で書き、「ブロガー」は「横書き」とするつもりでゐたのですが、「グーグルサイト」での「縦書き」は、少なくとも、私には、出来そうもなく、そのため、「二つ目のブロガー」を始めた、次第です。
平成二七年〇二月〇八日、毛利太。
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