2015年2月11日水曜日

「返り点」と「括弧」(2.0)。

ブロガー参
このブログは、PC上では「縦書き」で表示され、マウスポインタが、「縦書きの部分」にある時に、マウスのホイールを回すと、左右にスクロールし、「横書きの部分」では、上下にスクロールします。下に見えてゐる、スクロールノブでスクロールする場合は、左右にだけスクロールします。
(〇一)
①( )
②〔 〕
③[ ]
④{ }
に於いて、
{ }の中に、一つ以上の[ ]があり、
[ ]の中に、一つ以上の〔 〕があり、
〔 〕の中に、一つ以上の( )がある。
といふ「規則」を、「括弧の規則」とし、
① 一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
② 上 中 下
③ 甲 乙 丙 丁 戊 ・ ・ ・ ・ ・
④ 天 地 人
に於いて、
① を挟んで返る場合には、
② を用ゐ、
② を挟んで返る場合には、
③ を用ゐ、
③ を挟んで返る場合には、
④ を用ゐる。
といふ「規則」を、「返り点の規則」とする。
(〇二)
下 二 一 中 上=
下〔二(一)中(上)〕。
に於いて、
下〔 〕を、
 〔 〕下 に変へ、
二( )を、
 ( )二 に変へ、
中( )を、
 ( )中 に変へると、
〔(一)二(上)中〕下=
〔(一 二 上 中 下。
従って、
(〇二)により、
(〇三)
下 二 快一 中 乱上=
下〔二(快一)中(乱上)〕。
に於いて、
下〔 〕を、
 〔 〕下 に変へ、
二( )を、
 ( )二 に変へ、
中( )を、
 ( )中 に変へると、
〔(快一)二(乱上)中〕下=
〔(快一 二 乱上 中 下。
従って、
(〇三)により、
(〇四)
如 揮 快刀 断 乱麻=
如〔揮(快刀)断(乱麻)〕。
に於いて、
如〔 〕を、
 〔 〕如 に変へ、
揮( )を、
 ( )揮 に変へ、
断( )を、
 ( )断 に変へると、
〔(快刀)揮(乱麻)断〕如=
〔(快刀 揮 乱麻 断 如。
従って、
(〇二)~(〇四)により、
(〇五)
快刀乱麻
快刀を揮って乱麻を断つが如し。
に於ける「返り点と括弧」は、
下〔二(一)中(上)〕。
である。
(〇六)
丁 丙 下 二 一 上 乙 甲=
丁{丙[下〔二(一)上〕乙(甲)]}。
に於いて、
丁{ }を、
 { }丁 に変へ、
丙[ ]を、
 [ ]丙 に変へ、
下〔 〕を、
 〔 〕下 に変へ、
二( )を、
 ( )二 に変へ、
乙( )を、
 ( )乙 に変へると、
{[〔(一)二 上〕下(甲)乙]丙}丁=
{[〔(一 二 上 下 甲 乙 丙 丁。
従って、
(〇六)により、
(〇七)
我丁 必丙 下 二 中国一 上 乙 漢甲=
我丁{必丙[下〔二(中国一)上〕乙(漢甲)]}。
に於いて、
丁{ }を、
 { }丁 に変へ、
丙[ ]を、
 [ ]丙 に変へ、
下〔 〕を、
 〔 〕下 に変へ、
二( )を、
 ( )二 に変へ、
乙( )を、
 ( )乙 に変へると、
我{必[〔(中国一)二上〕下(漢甲)乙]丙}丁=
我 必   中国一 二上 下 漢甲 乙 丙 丁。
従って、
(〇七)により、
(〇八)
我不 必欲 以 読 中国語 法 解 漢文=
我不{必欲[以〔読(中国語)法〕解(漢文)]}。
に於いて、
不{ }を、
 { }不 に変へ、
欲[ ]を、
 [ ]欲 に変へ、
以〔 〕を、
 〔 〕以 に変へ、
読( )を、
 ( )読 に変へ、
解( )を、
 ( )解 に変へると、
我{必[〔(中国語)読法〕以(漢文)解]欲}不=
我 必[〔(中国語 読法以 漢文 解 欲 不。
従って、
(〇六)~(〇八)により、
(〇九)
我不必欲中国語漢文
我必ずしも中国語を読む法を以て漢文を解せんことを欲不。
に於ける「返り点と括弧」は、
丁{丙[下〔二(一)上〕乙(甲)]}。
である。
従って、
(〇一)(〇五)(〇九)により、
(一〇)
快刀乱麻
下〔二(一)中(上)〕。
我不必欲中国語漢文
丁{丙[下〔二(一)上〕乙(甲)]}。
は、二つとも、「括弧の規則」と「返り点の規則」を、満たしてゐる。
然るに、
(一一)
例へば、
我不必欲以読法中国語解漢文=
我不必欲中国語漢文
我必ずしも中国語を読む法を以中て漢文を解せんことを欲せ不
であったとする。
従って、
(一二)
丁{丙[下〔二(一)上〕乙(甲)]}。
ではなく、例へば、
丁{丙[下〔二(上〕一)
丁{丙[下〔二(一)上〕を含む、
丁{丙[下〔二(上〕一)乙(甲)]}。
であったとする。
然るに、
(一三)
丁{丙[下〔二(上〕一)
丁{丙[下〔二(一)上〕を含む、
丁{丙[下〔二(上〕一)乙(甲)]}。
は、「括弧の規則」と「返り点の規則」を、満たしてゐない。
(一四)
下〔二(一)中(上)〕。
を、例へば、
下{二(中[上〔一)〕]}。
に変へた場合も、
下 二 中 上 一。 
{([〔 )〕]}。
は、「括弧の規則」と「返り点の規則」を、満たしてゐない。
従って、
(一〇)(一四)により、
(一五)
「括弧の規則」を満たすならば、その時に限って、
「返り点の規則」を、満たしてゐる。
然るに、
(一六)
例えば、
漢文
漢文を読まざるに非ず。
といふ「返り点」は、
漢文
漢文を読ま不るに非ず。
といふ「返り点」に、等しい。
(一七)
衆狙之不二レ於己
衆狙の己に馴れ不るを恐る(朝三暮四)。
といふ「返り点」は、
衆狙之不於己
衆狙の己に馴れ不るを恐る。
といふ「返り点」に、等しい。
(一八)
一レ心=
処として心を傷ましめ不るは無し。
といふ「返り点」は、
処不
処として心を傷ましめ不るは無し。
といふ「返り点」に、等しい。
従って、
(一六)~(一八)により、
(一九)
レ レ 二 一。
二 一レ 二 一。
二 一レ レ レ。
は、
四[三〔二(一)〕]。
で、表すことが、出来る。
(二〇)
有〔読(書)者〕=
書を読む者有り。
の「返り点」は、
書者
であって、
有〔読(漢文)者〕=
漢文を読む者有り。
の「返り点」は、
漢文
である。
従って、
(二〇)により、
(二一)
二 レ 一。
は、
下〔二(一)上〕。
で表すことが、出来る。
従って、
(一五)(一九)(二一)により、
(二三)
⑤ レ は、
① 一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
② 上 中 下
③ 甲 乙 丙 丁 戊 ・ ・ ・ ・ ・
④ 天 地 人
で「置き換へ」ることが出来、
① 一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
② 上 中 下
③ 甲 乙 丙 丁 戊 ・ ・ ・ ・ ・
④ 天 地 人
⑤ レ
に於いて、「返り点の規則」を、満たしてゐるならば、
①( )
②〔 〕
③[ ]
④{ }
に於いて、「括弧の規則」を、満たしてゐる。
(二四)
①( )
②〔 〕
③[ ]
④{ }
で足りない場合は、
⑤〈 〉
とするものの、
①( )
②〔 〕
③[ ]
④{ }
⑤〈 〉
であれば、概ね、
① 一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
② 上 中 下
③ 甲 乙 丙 丁 戊 ・ ・ ・ ・ ・
④ 天 地 人
⑤ レ
の「全体」を、カバーする。
(二五)
「何不カフ」の二音が「盍カフ(コウ)」の一音につまったもので、「蓋」と同じに用いる(高校基礎漢和辞典、1984年、558頁)とあるやうに、
盍=何(副詞)+不(助動詞)
であるため、一字に見えても、実際には一字ではない。
従って、
(二五)により、
(二六)
盍 〔読(漢文)〕=
何不〔読(漢文)〕=
何〔(漢文)読〕不=
何ぞ〔(漢文を)読ま〕不る。
従って、
(二六)により、
(二七)
再読文字=副詞+助動詞
であって、それ故、
副詞 の部分は、「上から下の順」で読み、
助動詞の部分は、「下から返って」読む。
平成二七年〇二月一一日、毛利太。

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