2015年2月25日水曜日

「レ点」について。

ブロガー八
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(〇一)
例へば、
① 知我不小節而恥功名不上レ于天下也。
といふ「返り点」は、「参考書」に載ってゐるが、
① 知我不小節而恥功名不于天下也。
といふ「返り点」は、「参考書」に載ってゐない。
然るに、
(〇二)
① 知我不小節而恥功名不上レ于天下也=
① 知我不小節而恥功名不于天下也=
① 知我不小節而恥功名不于天下也=
① 我の小節を羞ぢ不して功名の天下に顕れ不るを恥ずるを知ればなり。
とすれば、
① 知我不小節而恥功名不上レ于天下也=
① 我の小節を羞ぢ不して、功名の天下に顕れ不るを恥づるを知ればなり。
といふ「返り点」を、「説明」した。ことになる。
従って、
(〇一)(〇二)により、
(〇三)
① 知我不小節而恥功名不于天下也=
① 知我不小節而恥功名不于天下也=
① 我の小節を羞ぢ不して功名の天下に顕れ不るを恥ずるを知ればなり。
といふ「返り点」は、「現行の返り点」としては、「マチガイ」であるが、
① 知我不小節而恥功名不上レ于天下也。
といふ「返り点」を「説明」する上で、
① 知我不小節而恥功名不于天下也=
① 知我不小節而恥功名不于天下也。
といふ「返り点」は、「有効」である。
それ故、
(〇四)
① 知我不小節而恥功名不上レ于天下也=
① 知我不小節而恥功名不于天下也=
① 知我不小節而恥功名不于天下也。
といふ「形」による「説明」を、「一二点による説明」とする。
(〇五)
「一二点による説明」に対して、
 には、下点 があるため、
知 は、読まない。
我 は そのまま、読む。
 には、レ点 があるため、
羞 を、読もうとすると、
 には、二点 があるため、
羞 は 読まない。
小 は、そのまま、読む。
節 を、読もうとすると、
 には、一点 があるため、
節 を読み、
 から、
 に返って、
羞 を読み、
羞 の上の、レ点 により、
不 を読む。
而 は、「置き字」であるため、読まない。
 には、中点 があるため、
恥 は、読まない。
功 は、そのまま、読む。
名 は、そのまま、読む。
上レ には、レ点 があるため、
顕 を、読もうとすると、
 には、二点 があるため、
顕 は 読まない。
于 は、「置き字」であるため、読まない。
天 は、そのまま、読む。
 には、一点 があるため、 下 を、読んでから、
 を読み、
顕 の上の、レ点 により、
 に返って、
不 を、読み、
 から、
 に返って、
恥 を、読み、
 から、
 に返って、
知 を、読む。
といふ「説明」を、「逐次的説明」とする。
従って、
(〇四)(〇五)により、
(〇六)
「一二点による説明」は、「簡単」であるが、
「逐次的説明」は、る説明「簡単」ではない。
然るに、
(〇七)
① 知我不小節而恥功名不上レ于天下也=
① 我の小節を羞ぢ不して、功名の天下に顕れ不るを恥づるを知ればなり。
に対して、
② 知我不必羞小節而恥功名不常顕于天下也=
② 我の必ずしも小節を羞ぢ不して、功名の常には天下に顕れ不るを恥づるを知ればなり。
は、「現行の返り点」として、「正しい」。
従って、
(〇八)
① 知我不小節而恥功名不上レ于天下也。
であっても、
② 知我不必羞小節而恥功名不常顕于天下也。
と同様に、
① 知我不小節而恥功名不于天下也。
であっても良いやうに、思へるものの、既に、述べた通り、
① 知我不小節而恥功名不于天下也。
に於ける、
① 戊 三 二 一 丁 丙 乙 甲。
といふ「返り点」は、「参考書(1973年)」には、載ってゐない。
(〇九)
「金文京、漢字と東アジア、2010年、52頁」を読む限り、
レ点 は、本来は、「上の一字」と、「下の一字」を、逆にして読む際の、記号であったやうである。
従って、
(〇九)により、
(一〇)
「本来の、レ点の用法」からすれば、
③ 不漢文
③ 読漢文
③ 読 漢文
といふ、ことになる。
従って、
(一〇)により、
(一一)
③ 不漢文
③ 漢文を読まず。
といふ「読み方」は、
レ点 の、「本来の使い方」ではない。
然るに、
(一二)
③ 不漢文
であれば、
誰であっても、
③ 不漢文
③ 漢文を読ま不
といふ「順番」で、読むことになる。
従って、
(一一)(一二)により、
(一三)
③ 不漢文
③ 漢文を読ま不
と読まれるやうに、なった時点で、
③ レ は、
③ 三 の「略号」に変はった。
といふ風に、見なすことが、出来る。
従って、
(一四)
④ 不漢文
④ 漢文を読ま不る可から不
であれば、
④ レ レ レ は、
④ 五 四 三 の「略号」である。
といふ風に、見なすことが、出来る。
然るに、
(一五)
さうであれば、
④ 不漢文
④ 不漢文
④ 漢文を読ま不る可から不
とする所の、「一二点による説明」に、「支障」は無い。
然るに、
(一六)
④ 不漢文
④ 不漢文
である以上、
④ 不
④ 不
に於ける、
④ レ レ レ と、
④ 五 四 三 は、
「同じ位置」に、無ければ、ならない。
然るに、
(一七)
レ点は下の字に属して左肩につけ、その他の一二点などは字の左下につける(原田種成、私の漢文講義、1995年、41頁)。
従って、
(一六)(一七)により、
(一八)
原田先生の説に、従ふ限り、
④ レ レ レ は、
④ 五 四 三 の「略号」ではない。
従って、
(一八)により、
④ 不漢文
④ 不漢文
④ 漢文を読ま不る可から不
とする所の、「一二点による説明」は、普通は、行はれることが、無い。
然るに、
(一九)
「結果」として、
④ 不漢文
④ 不漢文
④ 漢文を読ま不る可から不
① 知我不小節而恥功名不上レ于天下也=
① 知我不小節而恥功名不于天下也=
① 知我不小節而恥功名不于天下也=
① 我の小節を羞ぢ不して功名の天下に顕れ不るを恥ずるを知ればなり。
であることは、「事実」である。
加へて、
(二〇)
④ 不漢文
④ 不漢文
④ 漢文を読ま不る可から不
とすれば、これ以上、
④ 不漢文
といふ「返り点」を、「説明」する必要は無い。
加へて、
(二一)
⑤ 恐衆狙之不一レ於己
⑤ 恐衆狙之不於己
⑤ 衆狙の己に馴れ不るを恐る。
といふ、「一二点による説明」を行ふ限り、
教えて! goo
s質問者:noname#100659
s投稿日時:2005/11/20 01:10
s漢文についてお聞きします。
s漢文の教科書に次のような文章が出てきます。
s例文は有名な朝三暮四です。
s 衆狙之 不一レ 於己
sこれなのですが、打ち方はこれ一通りと決まっていますか?
s次のように打つと何がいけないのでしょうか?
s同じように読めてしまうような気がするのですが・・・。
s衆狙之 不 於己
s右の打ち方だと何が問題でしょうか?
s同じにはなりませんでしょうか?
といふ「疑問」は、有り得ない。
従って、
(〇一)~(二一)により、
(二二)
「レ点を含む、返り点」の説明は、「逐次的説明」に頼るのではなく、
① レ点 を用ゐなければ、かうである。
だけれども、この場合は、
② レ点 を用ゐるのが、「ルール」なので、
③ 正しくは、かうである。
といった、「一二点による説明」を、行ふべきである。
平成二七年〇二月二五日、毛利太。

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